じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

『エイリアン:コヴェナント』という名の迷走について

 今日も寒暖の差が激しい一日だった。
 午前中外来、午後から病棟仕事など。

 仕事を終えて、歯医者へ直行。
 外れた差し歯の型取りと歯石取り。
 僕はけっこう歯科治療には慣れているので(まったく自慢にはならないけど)、よほどのことがなければ治療の痛みには耐えられるつもりだったのだが、今日の歯石取りは一ヶ所激しく痛むところがあって、麻酔の薬を塗ってもらった。
 歯医者に行くと、なんとなくちゃんと生活しているような気分にはなるのだが、かのヤン・ウェンリー提督が言っていたように「歯医者の治療台の上には、英雄はいない」と、いつも思う。

 治療を終えて、映画館へ。
エイリアン:コヴェナント』を観賞。
 あまり評判が良くないうえに、今日ネットで観た『ブレードランナー』の新作の記事に「アメリカでの公開初週の興行成績が、期待はずれだった『エイリアン:コヴェナント』より下だった!」と書かれているのを読んで、どうしようかと迷っていたのだが、しばらくご飯も食べられないし、買い物とかに行ってお金を使うよりは良いのではないか、ということで。
 あと、『プロメテウス』をせっかく予習したので、ちょっともったいないな、というのもあって。
 うん、これはたしかに、壮大な前フリと重厚な世界観にもかかわらず、登場人物がどうしようもなく無能、そして、観終えても不快な気分だけが残るという映画だった。
 いやみんな『エイリアン』のこと、わかってないんだから……って、「わかってない」のは僕のほうでした……というオチばかり、最近書いているような気がする。
 眠い、グロい、バカバカしい、の3拍子揃った映画で、リドリー・スコットさん、どうしちゃったんだろう、というか、そこはもう、スタンリー・キューブリック監督が、半世紀くらい前に登頂してしまった山なんですけど……
 いやほんと、宇宙飛行士選抜試験のドキュメンタリーとか『宇宙兄弟』のあとにこの映画を観ると「宇宙船の乗組員の資格審査って、どうなってるんだ?」と言いたくなるよ。ましてや、移民が2000人も冷凍されて乗ってる船なのに!
 ただ、ここまでツッコミどころ満載だと、かえって「これはこれで、感想を書くにはオイシイ映画だな」とか思ってしまう自分が悲しい。

 『プロメテウス』を観ていないと、たぶんワケがわからないだろうし、その『プロメテウス』もかなり観るのが苦痛なうえに、そこまでして観る価値があるとも思えない映画なので、「良い映画」「楽しめる映画」を観たい人にはおすすめしない。
 さらに、感動するわけでも、考えさせられるわけでもないので、「とにかくエイリアンが出てくれば何でも見る!」という人向け、かな……
 
 25時に就寝。


エイリアン:コヴェナント (角川文庫)

エイリアン:コヴェナント (角川文庫)