じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

意味や理由がわからないからこそ、人は圧倒され、そこに何かを見出そうとする。

終日雨。
例年であれば、どうせだったら雪が降ればいいのに、とか思うところなのだが、今年はもう雪は結構です。
午前中外来、午後からは病棟業務など。
人が長生きする、というのは、周囲にとってはありがたいことでもあり、大変なことでもあるのだなあ、と考えずにはいられない。
高齢化社会にならないためには「無理に高齢者を延命しない」というのもひとつのやり方ではあるのだよなあ。
しかし、社会全体としては「あり」でも、自分の身内となると、そういうのを受け入れるのは難しい。
できないことはあきらめがつくけれど、できることをやらないというのは、悩ましいことなのだ。

仕事を終えて、レイトショーで『ザ・ウォーク』を観賞。
1974年にワールド・トレード・センターのツインタワーの屋上にワイヤーを渡し、綱渡りをした大道芸人フィリップ・プティの「歴史的パフォーマンス」をドラマ化したもの。
僕はこの「綱渡り」にずっと興味があって、ドキュメンタリー映画『マン・オン・ワイヤー』も観たのだが、成功するという結末はわかっているはずなのに、411メートルのタワーの間に綱1本だけを支えに立っている人間の姿には、言葉にできないような気高さを感じずにはいられなかった。
意味や理由がわからないからこそ、人は圧倒され、そこに何かを見出そうとする。
僕は高所恐怖症なので、絶対にこんなことはできないが(というか、高いところが好きな人でも、やらないほうがいいとは思う)、そもそも、「誰もできないことをやる」というためだけに、命綱無しでこんなパフォーマンスを念入りな準備をしてやった人々がいるといたのだよなあ。


24時に帰宅し、そのまま就寝。


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