じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

「好きなことをやりなさい」

今日から2月。
ついこのあいだ、『芸能人格付け』や『真田丸』の第1回を観たばかりのような気がするのだが、時間が流れるのが本当に早い。
1歳4ヵ月になろうとしている次男が、長男に習って、「うん・こ!」とニコニコしながら連呼しているのを微苦笑しながら眺める。
こういうのを録画しておきたいが、きっと将来の本人は観たくないだろうな。


通勤途中、『とくダネ』で、昨日、水木しげるさんの「お別れの会」が開かれたことを知った。
漫画家仲間やアニメの声優さん、『ゲゲゲの女房』に出演していた向井理さんに松下奈緒さんなども出席されていて、インタビューに答えていた。
水木さんの場合は、亡くなった悲しみはあるのだけれど、この世での仕事を全うされた、と僕は感じていたつもりなのだけれど、こうして、先生の不在を目の当たりにすると、やはり寂しくないといえば嘘になる。
午後からはファンも参列できて、7000人もの人が来ていたそうだ。


参列者に配られた水木先生の色紙には、水木先生の筆跡でこう書かれていた。
「好きなことをやりなさい」
この言葉をあらためて聞きながら、僕は、自分にとって「好きなこと」って、一体何なのだろうな、と考え込んでしまった。
そういうのって、わかっているようで、意外とわからないものなのだ。
まあ、競馬ばっかりやっているわけにもいかないだろうし。


水木先生は、太平洋戦争で、戦友たちが命を落としていくなか、片腕を失いながら、九死に一生を得て戦後を迎えることができた人だ。
「どんなにやりたくても、好きなことをやれなかった時代」を生き、「好きなことをやれないまま、飢えや伝染病であえなく死んでいった同じくらいの年齢の若者たち」を見送ってきた人だ。


「好きなことをやりなさい」という言葉には、たぶん、「あなたたちは、少し勇気を出すだけで、それができる幸運な時代を生きているのだから」という水木先生の気持ちが込められている。


僕も、「どうせできっこない」なんて決めつけずに、好きなことをやってみよう。この年齢でも、水木先生に比べたら、まだまだヒヨッコみたいなものだし。


午前中外来、午後からは病棟業務など。
最近、薬のメーカーの人に追いかけられるのが、以前よりさらにつらくなってきた。
別に話したくもないタイミングで、誰かににじり寄られ、あれこれ話しかけられるというのは、けっこう苦痛なんだよなあ。
あんなに大勢のマスコミの人につきまとわれる芸能人なんて、たまらないだろうな。

夕食を摂って帰宅し、お金もないので、本を読んだり、PS-VITAで『ネットハイ』の続きをやったりして過ごした。
25時に就寝。


水木サンの幸福論 (角川文庫)

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