じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

川崎の有料老人ホームでの事件のこと

午前中病棟業務など、午後から外来。
毎週のことながら、いわゆる「なんでも外来」というのはかなり憂鬱だ。
「何が求められているのかわからない」ことが、少なからずあるのだよなあ。

仕事を終えて、少しだけ買い物をして、シャワーを浴びて家で読書など。

川崎の有料老人ホームでの入所者3人が転落死した事件のうち、2014年11月に87歳の男性が死亡した事件について、23歳の元施設職員が逮捕されたとのニュースが。本人も容疑を認めているとのことだ。

なぜ、そんなことをやってしまったのか。
介護の現場が苛酷だから、というのは理由にはならないだろうと思うし、突発的なものとしては、3人というのはありえない。
そんなに仕事で煮詰まっていたのだとしたら、辞めることはできなかったのか……そのほうが、お互いにとってまだマシな選択だったはずなのに……
などと考えていたら、この容疑者は窃盗の容疑で逮捕されていたとのこと。裁判では19件の窃盗が明らかになったそうだ。
もともと、「犯罪をおかすことへのハードルが低い人間」だったということなのか。
ただ、介護の現場でも、当直で、何が起こるかわからない現場にいるのって、きっと、精神的にキツいのだろうとは思う。
そういう状況でなかったら、盗みまではやっても、人殺しまではやらなかったかもしれない。
当直というのは、人間の神経を高ぶらせ、精神を不安定にしやすい。
すべて介護の仕事がキツいせい、っていうのは日々介護の仕事をしている人たちに失礼なのだろうし、多くの人はきちんと仕事をしているはずなのだが。


徘徊や暴言、暴力、セクハラ。
介護をされる側だって、必ずしもイノセントではないのだ。
だからといって、投げ落としていい、というわけではない、そんなことがあってはならないのだけれど。

24時に就寝。


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