午前中外来、午後からは検査など。
とりあえず、来たばかりの新人研修医と一緒に仕事をするのは、けっこう気を遣う。
そういえば、少し仕事に慣れたくらいの時期は、上級医より近い存在として実習の学生や研修医がいて、相手をするのが気分転換になっていたのだよなあ。
こうして人は、世代の断絶に抗えなくなっていくのか。
仕事を終えた時点で、けっこう喉が痛くなってきたので、夕食と摂ったあと薬を飲んでシャワーを浴び、家でおとなしく静養とした。
最近ちょっと、がんばっていろいろやりすぎているような気もしていたし、インフルエンザの患者さんとの接触もあったし。
2016年の「本屋大賞」は、宮下奈都さんの『羊と鋼の森』。
ピアノの調律師という仕事を静謐な文章で丁寧に描いた良い小説で、「本屋大賞」の趣旨の「発掘」という言葉がふさわしい結果だったと思う。
しかし、以前「本屋大賞」で7位に入ったこともある宮下さんのこの作品の初版が6500部というのをきいて、ちょっと驚いた。けっこう小説好きには名前が知られているはずの宮下さんでも、そんなものなのか……そもそも、キリの良いところで1万部、とならずに6500と刻まれているところが、いまの出版状況のシビアさなのだろうな。
いずれにしても、1冊の印税が10%として、6500部で100万円くらいの収入。
3ヶ月に1冊くらいあのクオリティのものを書けば、専業で食べていけるのかもしれないが、ちょっとムリだよねえ。
『羊と鋼の森』は、これでベストセラー間違いなしだろうけど。
又吉直樹さんの『火花』が受賞ならず、とネットニュースのいくつかの見出しに書かれていたが、作品がどうのこうのというより、これ以上又吉さんに賞をあげてもなあ、と投票する人たちも空気を読んだ感もあり。
以前、村上春樹さんの『1Q84』がノミネートされて、本投票では最下位になってしまったのだけれど、「本屋大賞は、もうこの人(作品)にはあげなくていいんじゃない?」と思うような人は、ノミネートしなきゃいいのになあ。
今日のカープは、呉で中日戦。
1回表、野村祐輔がまったくアウトを取れず、1失点して、なおも無死満塁という大ピンチ。これはもう観ていられない、と試合経過をしばらく追うのをやめていたのだが、なんと野村祐輔はここをその1失点のみで乗りきり、7回1失点の好投。
好調の打撃陣は、1回に2点とって逆転し、エルドレッドのソロホームランで2点差に。
8回をジャクソン、9回を中崎がキッチリおさえて、そのまま3―1で接戦をものにした。
正直、1回表の1点取られてノーアウト満塁の時点では、今日はもうワンサイドゲームで負けるな、と覚悟していたのだが。
いつもの、打線は大爆発するが、それ以上にリリーフ投手が大炎上して逆転負け、というのは、いくら点差がつくことがあっても、強い感じはしない。
だが、今日のように、勝てる試合を隙を見せずに勝ち切るというのは「強いチームの野球」だろう。
ある意味、今シーズンでいちばん、良い試合だったかもしれない。
そりゃ、感動とかでいえば、黒田の完封が圧倒的1位なのだが。
25時に就寝。