読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

あるドラッグストアのレジで、困惑してしまった話

ゴールデンウィーク明けの月曜日。
ああ、5月病になりそうだなあ……と思いつつ、淡々と外来をやっていく。
今日までは、まだ比較的予約少なめ、なんだけれど、明日は当直だし、また忙しくなりそう。
というか、当直のことを考えるだけで、前日からすでに憂鬱だ。

仕事を終えて、散髪へ。
当直前に、スッキリしておきたい気分だったので。
その後、コインランドリーで洗濯。ここで洗濯をするのも、これで最後か、あと1回くらいか。

映画を観に行こうかと思ったのだが、昨日の睡眠時間が短めだったので、寝てしまうのではないかという予感がしたので、おとなしく帰宅。
少し頭痛が出たので、近所のドラッグストアで市販の鎮痛剤を購入。
勤務先で処方してもらえば良いのだが、それもちょっと悪いなあ、というくらいの痛み。
自分が当直嫌いなので(というか、好きな人はほとんどいないと思うが)、よっぽどのことがないと、当直している人たちを煩わせたくない。

薬を持ってレジに行くと、熱心な薬剤師さんだったのか、「頭痛は、筋緊張性ですか?片頭痛?」と尋ねられて、困惑してしまった。
というか、僕が医者だと知っているから、そういうふうに頭痛の分類で確認しようとしたのか?
でも、医者相手だったら、最初から、そんな質問はしないよなあ。
ということは、この人は、このドラッグストアに頭痛薬を買いにきた一般のお客さんにも、「筋緊張性ですか?片頭痛ですか?」と尋ねている、ということになる。
たぶんそれ、お客さんの大部分はわからないよ……
「専門家」のなかには、相手がどのくらいの予備知識を持っているか、それがどのくらい一般的に通用する言葉なのかを考えずに、「自分が知っている専門用語」を投げかけてくる人が少なくない。
それをやる人は、大概、経験不足か相手をよく見ていないかだ。
生半可に知っている人ほど、専門的なことを知らないのが当たり前の人に、専門用語を使いたがるような気がする。
僕が怪訝な顔をしていたら、「頭のどのあたりが痛みますか?」「肩もこりますか?」とさらに訊いてきた。
本来、こういう答えやすい質問を先にするべきなのに。
まだ若い薬剤師さんだったので、致し方ないところはあるのだろうけど。
きっと、こういうときの患者さんへの接し方って、ドラッグストアにいきなり勤務すると教えてくれる人がいないのだろうな(研修とかやるのだろうか?)
まあでも、こんなめんどくさいオッサン(僕)を接客されられるほうも、ちょっとかわいそうではある。こうして日記に書かれてしまうし。
医者なら、自分の勤務先の病院で処方してもらえよ、と思われそう。
僕の場合、ホームグラウンドだからこそ、なんとなく敷居が高い、っていうのは、あるんだよなあ。そういう感覚は、人それぞれ違うとしても。


ちなみに、症状からはおそらく筋緊張性頭痛なのだが、待ってましたとばかりにそう答えると感じ悪そうだったので、「質問の意味がわかりません」という顔をして、「とりあえずいつもこの薬を飲んでいるんです」と説明し、会計を済ませて退散した。


そもそも、人体についての知識は、人によってかなり異なる。
中には、『からだのひみつ』とか読んだことないのかな……と言いたくなる人もいる。
病状を説明しようとすると、「で、先生、肝臓って、2つあるんですよね?1つは取っても生きられるんでしょう?」とか質問されることがたまにあって、どこから説明したものか……と考え込んでしまうことも、たまにあるんだよなあ。僕が医者になったときに比べたら、患者さんの身体に対する知識水準は、格段に上がっているのだけれども。


夜、y嫁からの電話で、日常生活でのちょっとしたトラブルに見舞われた愚痴を聞く。
まあ、世の中には、どんなに仲が良くても、友人には話しづらく、夫婦間くらいでしか愚痴をこぼせないような出来事、というのもあるのだ。ごくたまに、だが。

シャワーを浴びて、25時に就寝。