じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

『情熱大陸』の節政健一さんの回を観て、「ドーバー海峡横断部」の凄さをあらためて思い知らされた。

 昨夜はカープ優勝で遅くまでひとりで飲んでしまい、今日はゆっくり起きた。
 競馬は夏競馬から、秋のG1に向けての前哨戦がはじまって、阪神ではセントウルS、中山では京王杯オータムハンデ。セントウルSではビッグアーサー、京王杯ではロードクエストと、いずれも1番人気の馬が勝ち、そこそこ人気どおりの結果となった。まあ、今回は馬券は買っていなかったのだけれど。
 ビッグアーサー、今春の高松宮記念では拘束馬場もあって、すごい時計で勝っていたのだが、それが重賞初制覇でもあった。もともと重賞では惜敗続きの馬でもあり、左回りで平坦の中京に実績もあったため、阪神スプリンターズSの中山のような坂のあるコースではどうかなあ、と思っていたのだが、今日は1枠1番から逃げてそのままの圧勝。それも、途中でスノードラゴンに絡まれて(この馬が先行してくるとは思わなかったが)、そこから再加速してハナを主張するというレースで、けっして展開に恵まれたというわけでもない。
 これはスプリンターズSでも1番人気になりそう。お父さんのサクラバクシンオーの全盛期のレースを思い出す強さだった。
 ただ、前哨戦としては、ちょっと負担がかかるレースになったかな、ということには一抹の不安もある。あえてケチをつければ、だけど。
 ロードクエストは、マイルだとやっぱりけっこう強いな、という感じだったが、そんなに高レベルの相手でもなかったのも事実。こういうレースに勝ち切るのは、そこそこ強いのは間違いないが。

 夜、『情熱大陸』を久々にリアルタイムで観た。
 今日は、オープンウォータースイマーの節政健一さん。
 日本人初のドーバー海峡単独往復に挑戦した28歳。
 水泳選手としては、なんか緩んだ身体だなあ、と思ってみていたら、ドーバー海峡を往復するためにはスタミナが必要で、挑戦中はサポート船に少しでも触れることが許されず、食事も水に浮かびながらなるため、皮下脂肪をたくわえておく必要があるのだという。
 24時間、直線距離で68キロの往復なのだが、潮に流される分も含めると100キロくらい泳がなければならないということで、そんなのよくやるなあ、という感じだ。
 その話をきいて、「ああ、『子どもの頃にウリナリの『ドーバー海峡横断部』を観て影響されたのかな?」と思っていたのだが、どうもそうではなかったみたい。なんでも自分基準で考えてしまうのは、僕の問題点だな。
 ドーバー海峡の横断は個人の能力だけではなく、潮の流れや天候の影響が大きく、満を持してスタートしたはずだったのに、途中から海が荒れ、映像でみると、サポート船も転覆するんじゃないかと思うくらい大きく揺れていた。載っていた人たちもひどい船酔いになっていそうなくらい。
 結局、コンディションの悪化のために挑戦は片道で打ち切りになったのだが、周囲から「成功するか死ぬか、みたいな感じ」と言われていた節政さんが、「それでもやりたい」と言わなかったのはすごいな、と思った。あの荒れている海をみると、片道でもすごい、としか言いようがないが。
 あらためて、あの『ドーバー海峡横断部』は、リレーとはいえ、すごかったんだな、と思い知らされた、あのときは、ここまで海は荒れておらず、コンディションに恵まれた、というのはあったにせよ。
 節政さんが、インタビューのなかで、「水泳=タイムを争う競泳、というわけじゃないと思う」と言っていたのを聞いて、そうだよなあ、頷く。オリンピックの後だけに、なおさら。
 競技としての「頂点」を目指すだけではなく、いろんなつきあい方があって良いはず。
 まあ、ドーバー海峡単独横断というのは、「尋常じゃない」話だけどさ。


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※2016年9月18日まで、見逃し配信あり。