じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

『鳥獣戯画』と日本シリーズ開幕前夜

夕方から、九州国立博物館へ、特別展『京都 高山寺明恵上人 - 特別公開 鳥獣戯画 - 』を観に行った。
国宝『鳥獣戯画』は、京都の高山寺に伝わる絵巻物で、カエルやウサギ、猿などが擬人化して描かれている。
「日本最古の漫画」等ともいわれており、「教科書でおなじみ」というやつだ。
普段はどこで観られるのだろう、と思って調べてみたら、甲・乙・丙・丁と呼ばれる全4巻のうち、甲・丙巻は東京国立博物館、乙・丁巻は京都国立博物館に保管されているそうだ。
今回は甲乙丙丁全巻揃っているのだが、公開は前期と後期に、それぞれの半分くらいずつ、となっていて、全部みたい人は2回来なければならない。いちばん有名なのは動物が多く描かれている甲巻なのだけれど、僕がいちばん覚えているカエルの絵は甲の後半部分らしくて、前期は展示されておらず残念。
それと、有名な鳥獣戯画ではあるけれど、丙、丁あたりは、僕がみた印象では、絵の質も楽しさも、あんまりたいしたことがないなと感じた。むしろ、ちょっと手抜き?みたいな。
鳥獣戯画だけではなく、高山寺の開祖である明恵上人に関する絵や資料の展示もけっこうたくさんあって、なかなか興味深い人だなあ、と思いながら眺めていた。
明恵上人はずっと天竺に憧れていて、2回、真剣に明からインドに行こうとしたそうなのだが、その際、春日明神から「ずっと守ってやっていたのに行ってしまうとはけしからん」というようなお告げを受けて、断念したそうだ。
なんとなく、現代風の解釈をすると、渡航の危険性が潜在意識にあって、そういう形でリスクを避ける行動を促したのではないか、などと考えてしまいたくなる。
悟りっていっても、脳内麻薬の力なんじゃないか、とか。
リアルタイムでオウム真理教事件をみてしまうと、宗教というのは、科学で解釈したり、現象を再現したりできるのではないか、と思わずにはいられなくなる。
教義の研究よりも修業の実践を求めていたという明恵上人の高山寺が、結局、浄土宗などに押されて勢いを失い、「学問のための場所」になっていったというのも、こういうことって、よくあるよなあ、って。
全体的に、なかなか面白い特別展だったと思う。
ミーハーなので、『鳥獣戯画』観たよ、って言えるような「目玉」があると嬉しいし。

その後、夕食を摂って家に戻り、読書など。
日本シリーズカープの緒方監督のほうからの提案で、予告先発になったとのこと。
初戦は、カープがジョンソン、日本ハムが大谷。
大谷に投げ勝てる可能性があるのはジョンソンしかいないような気がするが、ジョンソンで落とすと苦しくなるのは目に見えている。マツダスタジアムのファンの応援の後押しで、なんとか。
あと、黒田は3戦目の札幌ドームでの登板予定であることが明かされた。
現役最後の登板になる可能性も高く、地元・マツダスタジアムでの2戦目と予想されていたが、これは「当初の予定どおり」ということなのだろう。
黒田も日本シリーズに勝つためのローテーションを希望したのかもしれないし、そもそも、あの時期の引退発表だったので、日本シリーズで投げる順番もすでに決まっていて、それに合わせて調整していたはず。
カープファンとしては、ちょっと残念ではあるのだが、シリーズが6戦、7戦まであれば、マツダスタジアムで先発、あるいはリリーフするかもしれない。
ただ、今の黒田のコンディションだと、かなり厳しいマウンドになるかもしれないな、という不安もあるのだ。
このシリーズで最後だから、野球の神様がいるのなら、黒田に力を。
いや、神様がいなくても、黒田はきっと、完全燃焼してくれる。
楽しみでもあり、観るのが怖くもある日本シリーズは、ついに明日から。

『アナザースカイ』という番組で、女優の橋本愛さんがロンドンで服を買っていた。
「私は、『それは似合わない』って誰に言われても、自分が好きだったら着る」
服に「着られる」のではなく、私が「着る」のだという強い意志、カッコいい。
まあ、何を着ても似合いそうな人だからねえ、なんて言いたくもなるんだけどさ。