じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

博多で、立川談春さんの独演会を聴いてきた。

おかあさんといっしょ』の「うたのお兄さん」横山だいすけさんが在任9年での卒業を発表。
去年、たくみお姉さんが卒業した際に、だいすけお兄さんは残留になったのだけれど、同時に卒業、というケースが多かったらしくて、いろんな憶測が流れていたなあ。
僕は、長年やっていた2人が同時に辞めると現場が混乱しそうなので、引き継ぎ期間のような感じで、だいすけお兄さんが残ったのだろう、と思っていたのだけれど、結果的に1年遅れでの卒業になってしまった。
僕は自分が子供のころにみた『おかあさんといっしょ』の記憶はほとんどないので、長男と観ていた、だいすけお兄さん、たくみお姉さんが、「うたのお兄さん、お姉さん」だったのだ。
いまは8歳の長男は『おかあさんといっしょ』は卒業し、2歳の次男はようやく興味を持ち始めた、という感じなので、次男にとっては、あつこお姉さんと新しいお兄さんが「うたのおにいさん、おねえさん」になるのだろうな。
だいすけお兄さんには、「こういう人が、『うたのお兄さん』なんだろうな」と納得させられる安定感があったような気がする。もちろん、僕たちが観はじめた時点で、けっこうなキャリアを積んでいた、というのはあったのだとしても。
9年間、おつかれさまでした。
だいすけお兄さんは、僕が観ていた『おかあさんといっしょ』の「背骨」のような存在でした。


夜、立川談春さんの独演会を、博多のエルガーラホールに観に行った。
落語は、浅草演芸ホールで一度だけ生で観たことがあるのだけれど、独演会ははじめて。
初心者なのに、2時間も聴き続けられるのだろうか、途中で居眠りしないだろうか、などという不安もあり、体調も一昨日くらいから今ひとつだったのだけれど、行ってみてよかった!
立川談春さんは、間違いなく、いまいちばん勢いと人気がある落語家のひとり。
マクラから噺に入っていく手際の良さとか、佇まいの美しさ、噺の聴きやすさ、散りばめられた毒舌など、観ていると「落語家って、いいなあ」と憧れてしまう。
どんどん引き込まれていって、けっこう大きなホールで遠くから観ていたのに、最後のほうは、一対一になったような気がしてきた。
いろいろ面白い雑談もあったのだけれど、「こうして壁に囲まれたなかで、しかも8階で話しているのに、外に漏れて問題発言になっちゃうのは、ここで聴いてる誰かが話してるからですよ」って、すみません、僕もブログに、談春さんが「立川流は○○だ」と言ってました、とか、書くところでした。
ブログとか書いてると、つい、話題になりそうなことに対して口が軽くなるからいけません。
居残り佐平次』という、けっこう長い噺だったのだけれど、こうして生で聴いてみると、録音とは違う緊張感やアドリブの面白さというのはあるものだなあ。
あと、談春さんは、けっこう丁寧に、この噺の「サゲ(オチ)」の部分の説明をしてくれたのだが、こういう噺がつくられた時代の人たちの言葉や習慣の「常識」は、現代人にとっては、解説がないと理解不能なことが多く、そんな中で、古典を受け継いでいくというのは、かなり大変なことだ。噺のなかの脱線のような部分が、ちゃんと最後につながっていたのには感心してしまった。
「サゲ」が大事だというイメージがあったのだけれど、こうして生で長い噺を聴いてみると、「サゲ」というのは、最後のおさまりを良くする、というくらいのもので、途中の細かいやりとりをその場で楽しんでいくのが落語というものなのだな。
ひとりの話を全く退屈することなく2時間半も聴けるって、考えてみたらすごいことだ。
体調に不安があったのだけれど、観終えて、なんだか少し元気が出てきた。
世の中にはまだまだこういう面白そうなものがあるのだから、僕もそう簡単には死ねないな。
これからまた、いろんな人の落語を聴いてみようと思う。

25時に就寝。


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