帰宅後、1995年版の映画(アニメ)『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』のDVDを観た。押井守監督作品。冒頭、なかなか押井さんの名前が出てこないな、と思っていたら、最後に十分タメをつくって登場してきて、ちょっと笑ってしまった。押井さん、才能もすごいけど、自負心もすごい。
いま、スカーレット・ヨハンソンとビートたけし主演のハリウッド実写化版が公開されているので、それを観る前に予習しておこうと思って。
シリーズはけっこうたくさんあるみたいなので、この作品の実写化かどうかはわからないのだけれども。
1995年の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』をみていると、コンピュータ社会のなかで、20年前から、「人間というのは、どこまでが人間なのか?」という問いかけをしてきた人がいるのだ、ということを思い知らされる。人間の身体の一部を機械化し、ネットに接続すると、人間どこまでが「個」だと言えるのか?
1995年といえば、僕が仕事をはじめる際に、絶対に必要だからとまずポケットベルを契約しに行った年だ。
あれから20年。1995年なんて、そんな昔じゃないような気がするし、世の中も変わっていないと思い込んでいたけれど、人類というのはものすごく進化・変化しているのだよなあ。
いまのところ、人間の一部を機械で補う、というのは、ある種の障害に対するサポートとして行われているくらいだけれど、常にスマートフォンを持ち歩くというのは、「膨大なデータや記憶が入ったハードディスクと一体化している」ようなものではないのか。
どんな物知りの大人でも、自分の身体と脳だけでは「ネットにつながったスマートフォンを持っている中学生」がアクセスできる知識にはかなわない。
では、いまの世の中の「知識」とは何なのか?
ただ、人間というのは、検索すればわかることでも、なかなか自分で検索しようとしない、あるいは、間違った検索をしてしまいがちだ、ということも、この20年間で痛感している。
とりあえず、これでハリウッド版の予習もできた。
シリーズの他の作品も少しずつ観てみよう。
夜、浅田真央さんが引退を発表。
本当は、ずっとこのことを考えていて、でも、いろんなしがらみや迷いもあって、なかなか言い出せなかったのではなかろうか。
あらためて考えてみると、「ハーフハーフ」の時点で、もう難しかったのかもしれない。オリンピックで勝ちにいくつもりなら「ハーフ」のモチベーションでは難しいことは、わかっていたはずだから。
この時期というのも、来年のオリンピック選考の際に、実績で推されるようなことがないように、後輩たちに迷惑をかけないように、だったのではなかろうか。
それとも単に、桜の季節に、新しく出発したかっただけ、かな。
浅田選手の演技でいちばん記憶に残っているのは、2014年のソチ五輪、ショートプログラムがうまくいかず、メダルは絶望、というなかでのフリーの演技だった。
「消化試合」だなと思っていた僕に、浅田選手は、完璧な演技をみせてくれたのだ。6種類のトリプルジャンプも、すべて成功。
勝つこと、メダルを獲ることがすべてじゃなくて、与えられた場所で、自分にできる一つ一つのことをやり続けることが、浅田選手のスケートだった。
フィギュアスケートの演技をみて涙が出たのは、あの一度きりだ。
プルシェンコ選手の演技で、大笑いしたことはあるんだけど。
僕は正直、残念というよりは、なんだかホッとしているというか、清々しい気分だ。やっと引退するって言えてよかった、みたいな感じ。
長い間、おつかれさまでした。少し心身を休めて、「何をやってみたいか」ゆっくり考える時間があっても良いんじゃないかな。
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