じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

『ぐるナイ』で高嶋ちさ子さんをみて、「タイガー・マザー」を思い出した。

 みどりの日
 けっこう暑かった。
 徒然に部屋の片付けや読書などをして過ごした。
 『ぐるナイ』の「ゴチ18」のゲストは、ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さん。
 冒頭で紹介された「有名人暴言王ランキング」では、1位が石原慎太郎さん、2位が高嶋さんで、3位が和田アキ子さんとのこと。
 知名度や実績(?)を考えると、この二人に挟まれての2位ってすごいな。
 子供の携帯ゲーム機をへし折った話は僕も知っていたので、どんな人なんだろうと思っていたのだが、自分のことだけならともかく、子供に対しても「なんでも一番じゃないと気が済まない」そうだ。
 ああ、「タイガー・マザー」だよなあこの人。
 しかも、番組内では「次男は良いんだけど、長男のほうは、運動会の徒競走で負けたりして」など、「子供の比較」もしていて、ああ、こういうのが「毒親」って言うのだろうな、と、観ていてつらくなってきた。
 「夫には、君のやっていることは、この『男の子を育てるときにやってはいけないこと』の見出しに全部書いてあるね、と言われた」とのことだ。
 夫、なんとかしろよこれ!と言いたいところではあるけれど、高嶋さんのような人って、誰かに説得されて考えを変える、というタイプじゃないんだよね。言うとおりにするか、拒絶されるかのどちらかにしかならない。
 夫としては「あきらめている」のだろうなあ。いや、「言う通りにするのが心地よい」のか?
 正直なところ、育児に「正解」なんてないので、これで息子さんたちがうまくいけば「厳しく育ててくれた親のおかげ」ということになるし、挫折してしまえば「あの毒親のせい」になるんだよね。
 こういう親が(確率は低いとしても)、すごい才能を生み出し、育てることもある。
 ただ、この人をみていて思うのは、育児というかなりデリケートなジャンルに対して、こんな確実に炎上するであろう発言を繰り返しているのは、よほど確固たる信念があるのか、それとも、自分を守るという機能や意識が未熟なのかわからないな、ということだ。
 頑さとともに、脆さも感じるんだよなあ。
 こういう人を持ち上げたり叩いたりするのは、危険な気がする。
 そして、こういう人が、有名ヴァイオリニストとして演奏で多くの人を感動させているのだから、アートっていうのは、よくわからないな、と思う。
 いわゆる「いい人」が、「いい作品」を生み出すわけじゃないんだよね。むしろ逆のことのほうが多いのだ。
 アルフィーの高見沢さんを僕も思い出せなかったことに愕然としつつ、24時に就寝。


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タイガー・マザー

タイガー・マザー