じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

カープのバティスタ選手の代打逆転ホームランで、いろんなものが「報われた」のだと思う。

 新しい職場2日目。
 外来の仕事をぼちぼち。
 これまでと比較すると、けっしてハードではないのだが、やはりまだ緊張しているのか、帰りの車で、一気に疲れが出てきたような気がする。半日で帰れるのだから、パラダイスではあるんだけどねえ。これまで、半日勤務の日があるのは、20年ぶりくらいではなかろうか。帰るタイミングがまだよくわからない。
 今日のカープは、マツダスタジアムでロッテ戦。
 野村祐輔投手が腰痛から復帰してきて一安心、ではあったのだが、3回にいきなり崩れて3失点。まあ、とりあえず今日は5回まで投げられただけで十分、ということで。
 試合は、3回裏に3対3の同点に追いつきながらも、4回にまた1点取られて突き放されるというもどかしい展開だった。
 6回の裏、8番・石原の2ベースのあと、代打に先日支配下登録されたばかりのドミニカアカデミー出身のバティスタ選手。
 2軍ではかなり打っている、と聞いてはいたけれど、まだまだ粗さが目立つし、ここは手堅くランナーを3塁に送れる代打のほうが良いのでは……
 そう思っていたら、なんとそのバティスタが、バックスクリーン右へのプロ初打席・初ホームラン!しかも、1点差をひっくり返す逆転打。
 なんだこれは、こんなマンガみたいなことがあって良いのか……まあ、カープファン的には「これでいいのだ」としか言いようがないのだけれど、これはいろんなものが「報われた」ホームランだったと思う。
 他に打席に立たせて経験を積ませたい日本人野手もたくさんいるのに、すぐには一軍の戦力にはなりそうもない、もし活躍してもすぐに他のチームやメジャーリーグに出ていってしまうようなドミニカの選手をなぜファームで起用し続けるのか?と僕はずっと疑問に感じていた。
 同じような意見を、少なからずネットでも見ていたし、メディアでも批判されていたのだ。
 カープは、ドミニカの野球アカデミーをお金をかけて作ってしまったがために、引くに引けなくなって、選手を日本で二軍の試合に出しているだけではないのか。
 その割を食って、将来のカープを支えるであろう若手の出番が失われているのではないのか。
 今日のバティスタのホームランは、そういう周囲の見かたも「逆転」する一打だった。
 ドミニカに野球アカデミーを作った人、運営しつづけている人、二軍でバティスタ、メヒア両選手を起用してきた首脳陣、そして何より、ドミニカから日本にやってきて、ずっと「育成選手」の壁を破れなかった選手自身にとって、とても大きなホームランになった。
 本当に、いろんなことが、この1本のホームランで報われたはずだ。もちろん、これで打ち止めになっては困るけれど。
 アンパンマン・松山選手のホームランでの追加点も効いて、バティスタ選手はお立ち台にも上がれたし。
 こういうのも運だよね。
 せっかく逆転ホームランを打っても、再逆転されて負けてしまうと、ホームランのインパクトも薄くなってしまっただろうから。

 中日の荒木雅博選手が地元・ナゴヤドーム2000本安打達成。
 去年の新井さんは神宮で、鈴木誠也がホームランを打ってたなあ。
 去年のカープは、リーグ優勝を決めた試合も東京ドームで、節目がけっこうビジターだった気がする。
 で、日本シリーズでは、マツダスタジアムで負けてしまった。
 やっぱりホームで決めてほしいよね、ファンとしては。
 星野仙一さんが相変わらず元気そうなのと、40歳近くになって、2000本もヒットを打った大選手でも、恩師の前では頭が上がらないものなんだな。
 荒木・井端の二遊間時代が近年の中日の全盛期で、あらためて考えてみると、センターラインが確立されているチームが、プロ野球の覇権を握っている。カープは、田中、菊池、丸、そして石原というセンターラインが完成したことで、強いチームになったのだ。
 荒木選手の33本塁打というのは、2000本を打った選手としては最も少ないらしい。
 達成後のなかの荒木選手の一問一答のなかで、いちばん印象的だったのは、自己犠牲が多い打順での達成について「自己犠牲には誇りを持ってきた。もし2000本打ってなくても胸を張ってやめられます」と言っていたことだ。
 荒木選手は「自分を犠牲にする」ことによって、結果的に重宝され、「自分を活かしてきた」のだよなあ。これもまた、プロフェッショナルの生きざま。

 明日は日曜日。とりあえず、ここで一息入れられるのはとてもありがたい。
 安田記念イスラボニータ本命で。
 馬券的には、サトノアラジンに期待。


星野仙一闘将日記

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采配

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