じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

広島カープにマジック33が点灯した夜に、勝負の世界の厳しさを思う。

 夏の甲子園が開幕。
 入院している患者さんを回診していると、高校野球とか大相撲の中継は、こういうところで観られているのだなあ、と思う。
 大会初日の第一試合の波佐見(長崎)、第二試合の東筑(福岡)と、地元北部九州勢が相次いで破れ、患者さんたちはちょっと寂しそうだった。

 検査に外来に病棟の仕事と、この病院としてはけっこう忙しく、遅番でもあったので、まっすぐ帰宅。カープはマジック点灯をかけて、ナゴヤドームでの中日戦。カープ野村祐輔、中日は鈴木翔太という顔合わせをみて、今日はいけるのではないかと思ったのだが、野村は前半からヒットを重ねられ、苦しみながらもなんとか1点で抑え、打線は鈴木翔太の好投の前に、6回までエラーでのランナー1人のみという苦しい展開。
 これ、ノーヒットノーランとかやられてしまうのでは……と悪い予感がした7回表に、菊池のヒットを足がかりに、鈴木誠也のタイムリーで1-1の同点に追いつくも、勝ち越しには至らず。
 今夜は頭痛薬を内服した影響なのかすごく眠くなってしまい、その時点で眠ってしまった。
 目が覚めたら、もう23時半。
 Yahoo!のトップページをみたら、カープにマジック33点灯!とのこと。
 おお、これは逆転勝ちしたのか、と確認すると、試合はあのまま1-1で延長12回引き分けとなり、阪神が巨人に破れたため、マジックが点いたらしい。
 両チームとも、リリーフ陣が踏ん張った。
 8月8日のマジック点灯は、球団史上最速だそうだ。あの「200発打線」の時代よりも早いのか、とオールドカープファンとしては感慨深い。
 その後、ネットで中日の森繁和監督の娘さんが、昨日乳がんで亡くなっていたことを知った。享年35歳。
 森監督は、娘さんが闘病しているなか、成績不振や観客減という問題を抱える中日ドラゴンズを率いてきたのだ。仕事が支えになっている、という面もあったのかもしれないけれど、けっしてラクではなかったと思う。
 今日の試合は勝ちたかっただろうなあ、試合前に訃報は選手たちに知らされていたそうなので、選手たちも期するところがあったはずだ。
 傍からみれば、森監督の選手起用は、特定の投手を酷使しすぎているようにも感じるのだけれど、それでも、去年までの中日から漏れてきた不協和音が、今年は聞こえなくなっている。

 スポーツの、勝負の世界というのは厳しいものだな、とあらためて思う。
 僕の贔屓のチームが勝てば嬉しいが、それは、相手チームのファンが悲しむ結果でもある。
 今日みたいな背景がある試合でも、名選手の引退試合でも、そんなに簡単に「ドラマチック」にはならないのだ。カープが手加減するわけにはいかないし、やらなくては、という選手の思いがプレッシャーになることもある。
 
 カープのマジック点灯は嬉しかったが、いろいろと考えさせられる夜だった。
 でも、結局のところ、すべてを俯瞰しようと思ったら感情を消すしかないわけで、僕は僕の好きなものを応援し、好きじゃないものには、なるべく負の感情をぶつけないようにして生きていく。

 25時に再度就寝。


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根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男

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