じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

こんな熱戦を、タイブレークで終わらせてもいいのか、と考えていた。

 好天の4月はじめ。
 しかし、昼間はもう暑いくらいで、これでは初夏という感じではないか。
 今朝は、蚊の羽音に起こされたし。

 この時期は、病室やロビーで高校野球の中継を楽しみにしている人がけっこういるのだが、今日の準決勝2試合はいずれも熱戦で、観戦している人たちも、大いに盛り上がっていたようだ。
 僕も通りすがりにちらちらと試合経過をみていたのだが、あの横暴なまでに強い大阪桐蔭が9回の攻撃まで1-2で三重に負けていて、こんなこともあるのか、高校野球はわかんないな、と思っていた。その後、桐蔭が追いついて、試合は延長12回。この攻撃で点が入らなければ、史上初のタイブレークになる、という状況で、結局、桐蔭がサヨナラ勝ち。ロビーから「わあっ」という歓声が上がって、試合が終わったことを知った。
 この試合の経過を追いながら考えていたのは、こんな熱戦を、タイブレークで終わらせてもいいのか、ということだった。サッカーのPK戦とかも、僕は「ここまで懸命にプレーしてきたのに、そんな別のゲームみたいなやつで決めてもいいの?」って思うし、オシム監督も、「PK戦は(サッカーとは)別物だ」と言っていった。サッカーに関しては、それによって、ジャイアントキリングが起こりやすい、という面白さもあるのかもしれないが。
 選手の身体のことを考えると、決着がつくまでずっと延長をやる、というのは適切ではない、というのは理解しているし、僕も「延長15回でもやりすぎ」で、タイブレーク導入も致し方なし、と考えていたのだ。
 ところが、こうして、実際に延長12回まで続いている試合を目の当たりにすると、「本当にタイブレークという、人為的にチャンスが作られた状況からの決着で良いのか?それで選手も観客も納得できるのか?」と不安になってきた。
 全体としての「正しさ」と、目の前の個別の事例に対する「正しさ」というのは、必ずしも同じではない。
 死刑廃止論者だって、あまりにも身勝手な犯罪者に対して「さすがにこいつは死刑でもしょうがないのではないか」と思うことだってあるのではないか。

 今日は比較的よく眠れた。