じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

ダニー・ボイル監督の映画『スティーブ・ジョブズ』のDVDを観た。

 午前中外来、お昼から夕方まで日直。
 夕方までで解放されるし、救急車や重症の急患が来るわけでもないのに、「土曜日の午後に仕事をするなんてつらいなあ」と重苦しい気分になってしまう。数年前までの月に3回くらい一睡もできないこともある当直をしていた時期と比べたら、はるかにラクな仕事のはずなんだけど。人間、きついことには慣れないが、ラクにはすぐ慣れるのだよなあ。
 それでも、ストレスフリー、というわけにはいかないのだけれど。

 ダニー・ボイル監督の映画『スティーブ・ジョブズ』のDVDを観賞。
 ジョブズの伝記というよりは、1984年(初代Macintosh)・1988年(NeXTcube)・1998年(初代iMac)のプレゼンテーションがはじまる40分前の舞台裏、という形式で、ジョブズと彼をとりまく人々との関係を描いた作品。
 実際は、大事なプレゼンをやるたびに、直前にこんなに揉め事を起こしている人はいないと思われるのだが、娘のリサとその母親、アップルを立ち上げたパートナーだったスティーブ・ウォズニアック、「砂糖水を売るより、世界を変えてみないか」で知られるジョン・スカリーなど、さまざまな人が、本番前のジョブズに絡んでくるのだ。
 もちろんドラマ化されている部分はあるのだろうけれど、ジョブズ、とくに若い頃のジョブズはろくでもない人間だったと思う。大金持ちなのに、娘の母親が貧しい暮らしをしていても経済的な援助をほとんどしていなかったし、娘もなかなか認知しようとせず、裁判で遺伝子検査の結果を提出され、自分が父親である可能性が高いとされた際も、「統計学的にみて、米国人男性の28%に父親の可能性がある」と言ったことが知られている。まあ、母親が毎回お金の無心に来るというのも、それはそれで、見ていていたたまれないところはあるけれども。
 家族や長年一緒に働いてきた人たちからは「あなたのことは嫌いだ」「ひどい人だ」と責められているジョブズが、プレゼンのためにステージに上がると、満員の観客から、万雷の拍手で迎えられる。
 良いとか悪いとかじゃなくて、「そういう人生を送るしかなかった人」なのだろうな、スティーブ・ジョブズは。
 個人的には、初代MacintoshiMacがすごく懐かしかった。
 30年前か……ジョブズはいなくなってしまい、僕もただのオッサンとして、とりあえず生きている。

 明日はダービー。
 ダービーじゃなかったら、買わずにやりすごしたいくらい難しい。
 これまでのレースや調教、枠順からは、ダノンプレミアムでしょうがない気がするのだが、順調さを欠いているのにこの人気だからなあ。


スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン