じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

梅雨入りと『ゲティ家の身代金』

 朝から雨の月曜日。
 今日から九州北部と四国が梅雨入りとのこと。
 なんだか今年は早いなあ、と思っていたのだが、平年より8日早く、去年より23日早いらしい。
 むしろ、去年が遅すぎただけなのか。

 ネットでインディ500の結果を見た。
 昨年優勝の佐藤琢磨選手は、今年は最初にリタイアしたドライバーになってしまった。
 もうあれから1年経つのか、あらためて考えてみると、このレースで日本人ドライバーが優勝したというのは、ものすごいことだったよなあ。

 仕事を終えたあと、雨も小降りになっていたので、少し離れた映画館へ『ゲティ家の身代金』を観にいった。リドリー・スコット監督。
 孫が誘拐されたにもかかわらず、「身代金を払う気はない」と公言した大富豪、ジャン・ポール・ゲティ。予告編を観たときには、「なんて酷い守銭奴のジジイなんだ……」と思ったのだけれど(だからこそ僕はわざわさ上映館が少なめのこの映画を観るために遠出してきたのだが)、この映画を観ていると、ジャン・ポール・ゲティの筋金入りの守銭奴っぷりに、むしろ清々しい気分にさえなってくる。彼は孫を愛していないわけではなくて、身代金にも「適正な値付け」を求めているだけのようにもみえる。
 正直、当時の彼の財産からすれば、身代金として要求された金額も「大金ではあるが、出したからといって致命的なダメ—ジを食らうような額ではない」のだ。
 そして、彼は同じくらいのお金を出して、美術品を躊躇なく買っている。
 結局、ドケチのようにみえるけれど、「自分の値付けに見合わないものには、たとえ孫の命がかかっていても、お金を払いたくない人」なんだよなあ。
 でもなあ、あのゲティ家の人たちなら、お金もどこかから引っ張ってこられそうな気がするのだが……
 お金って、全くなければ人と人との繋がりを断ちきってしまうことが多いし、ありすぎると、人というのは個人としてやりたいことをやるようになってしまうのではないか、と感じている。
 ハリウッドスターとかは、結婚してもみんな離婚して、莫大な財産分与や慰謝料に追われているようにみえるし。
 正直なところ、とにかく「スッキリしない映画」だ。
 だが、この映画がすごく消化不良に感じられるのは、現実が消化不良だからなのだろう。
 お金があれば幸せになれるとは限らないけれど、お金がなくても幸せ、と断言している人は、なんだか胡散臭く感じるのだよなあ。


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