海の日。
海水浴にでも出かけたら気が利いているのかもしれないが、最高気温37度とかだと、そんな気分にはなれない。というか、海に行くのって、けっこう大変だものなあ。大人になると、海水浴、という名目でも、実際は、海水につかっている時間はかなり短い、そして、帰ってくるとベタベタになり、どっと疲れるということを学習するのだ。まだ7月中旬だし、これからだろう、と思っていると、お盆を過ぎたらクラゲが出るからダメ、とかいう話になり、あっという間に、海水浴シーズンは終わっていく。
NHK-FMで、「今日は一日“小室哲哉”三昧」を聴いていた。
リアルタイムでは、小室哲哉=ミーハー、みんな同じような曲、みたいな気がして、斜に構えて避けていたのだが、こうして小室サウンドばかり並べてみると、いろんなタイプの曲があるし、歌詞も含めて、名曲揃いであることを認めざるをえない。
鈴木あみさんが生出演していて、「わたしは声が低めなのだけれど、ギリギリ絞り出せるくらいのキーが高い曲が多かった」と語っていた。
当時は「鈴木あみは歌が下手」だと思っていたのだけれども、小室さんは、あえて歌いづらい曲をつくって、聴いている側を「これ、きつそうだけど、歌いきれるのかな……」と不安にさせ、ひきつけていたのだ。
あみさんのデビュー曲、『love the island』のイントロ、あらためて聴いてみると、バリ島の民族音楽のようなメロディが入っていて、それだけでもう、異国情緒というか、夏のバカンスの雰囲気をかもし出している。『OUR DAYS』も、聴いていると、なんだか僕にも青春時代があったような錯覚に陥ってしまうのだよなあ。
歌手の「不安定さ」をあえて武器にしてみせる、というのは秋元康さんにも通じるところがあって、完成された状態で売り出す韓流アイドルとは違う文化なのだ。
「小室さんは、曲だけじゃなくて、プロデュースする人の『背景』みたいなものを意識していた」というのも頷ける。
小室哲哉、という人の生きざまをみていると、やっぱりすごい才能とプロデュース能力があったと思うし、それと同時に、プロデュースした人と浮名を流したり、ものすごい浪費をしたりと、だらしない面もあった人ではある。
「ものすごく道徳的な人」が、「ものすごく売れる作品をつくる」わけではない、のだよね。
これだけ稼いでいれば、よっぽどのことをしないかぎり、遊んで暮らせるはずなんだけど、よっぽどのことをしてしまうのもまた人間、ということか。
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