今日も雨。
とりあえず平日にやっておきたい用事を済ませた。
カープは今シーズン残り2試合。マツダスタジアムでの巨人戦は、天谷宗一郎選手の引退試合になった。
1番センターで1回の表の守備についたあと、最初の打席、菅野に対してキャッチャーゴロでお役御免。
カープは順位も決まっているし、天谷はとくに怪我もなさそうだから、今日くらいはフル出場させてあげてもいいのに、と思ったのだが、相手の巨人はCS進出がかかっているということもあるのだろう。
最近の引退試合は、CSのおかげで消化試合が少なくなったせいか、こういう「最初に1打席立って(あるいはバッター1人に投げて)おしまい、というのが多い。それが試合結果への影響が最も少ないという判断なのだろうけど、試合の終わり近くになって、その選手が登場してくれたほうが、気分的には盛り上がるよなあ。
天谷、ああ天谷。
まだ34歳なんだよなあ。
フェンスによじ上ってのスーパーキャッチのことばかりが採りあげられるけれど、カープがずっとBクラスだった時代、天谷は走攻守揃っていて、けっこう長打力もある、期待されている選手だった。3番に定着するのでは、と言われていた時期もあったのだ。だが、ものすごいプレーをみせることがある一方で、凡ミスも目立つタイプで、結局、マエケン革命以降のカープの急激な世代交代の波に取り残されてしまった。今シーズン、丸、つづいて野間が怪我をしても一軍に呼ばれなかったので、と本人も言っていたけれど、赤松選手ががんの影響でなかなか上がってこられない状況も考えると、外野の守備固めのニーズはありそうだったのに。丸、鈴木誠也、野間が外野を占めると、守備固めは要らないよね。丸、松山がFAでどうなるかは、まだわからないけれど。
ただ、天谷に関しては、けっこうチャンスはあったと思うし、あれだけ期待されていたにもかかわらず、レギュラーを掴みきれなかった。ドラフト9位で入ってきて、17年間もよく頑張ったなあ、というのと、もっとやれるはずだったのに、というもどかしさが入り混じる、僕にとっては、そんな選手だった。
引退セレモニーで、マツダスタジアムを見渡して、絶句してしまった場面には、僕ももらい泣きした。今は毎試合満員で大声援が当たり前のカープの本拠地だけれど、天谷は、ボロボロで他チームの選手に同情され、お客さんも少なくてヤジばかりが聞こえてくる広島市民球場でプレーしていたときのことを思い出したにちがいない。
あの頃のカープがあったから、いまのカープがある。
でもそれは、いまのカープも、また変わっていくということでもある。
いい時代に引退できるというのは、幸せなことでもあるのだ、きっと。
- 作者: 西野精治
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2017/03/08
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 出版社/メーカー: 一球
- メディア: その他
- この商品を含むブログを見る