じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

『クワイエット・プレイス』にようこそ

 連休明けで、やっぱりきついなあ、などと思っていると、急患が来る。
 病院での仕事って、弱り目に祟り目、ということわざを思い出すことが多い。

 仕事を終えて、映画館へ。
 予告編を最初に観たときには「ほぼ確実に映画館では観ないリスト」に入れていた『クワイエット・プレイス』を選択。上映時間と、他の映画との観たさの比較で、今日はこれになってしまった。上映時間90分って、昔はこんな短いのは損だと判断していたのだが、いまは「短いほうがラクだな」と思う。
 でもこの映画、そんなにお客さんいないんじゃないかな……と予想していたら、シアター内は30人くらいの若者で賑わっていた。うーむ、他人が映画を選ぶ基準がよくわからん。僕も一緒に観ているのだが。
 『クワイエット・プレイス』は、「大きな音を立てたら『何か』に襲われる世界」の話なのだけれど、驚いたのは、なぜそうなったのか、という経緯はまったく説明されないままに、「ここはそういう世界」というのが前提として描かれているということだ。
 もうほんと、ここに洗いざらい書いてしまいたくなるくらい、ツッコミどころ満載なのだが、にもかかわらず、館内は、みんなで申し合わせたかのように、静まり返って、すごい緊張感に溢れている。別に観客が音を立てても襲われるわけじゃないのに。
 この映画のいちばんの見どころって、「観客の緊張感」なのかもしれない。この間映画館でみた、予告編のあいだ、ずっと大声で喋り続けているおばちゃんをここに連れてきてみたい。
 ものすごく面白い、とか感動する、という映画ではまったくないのだが、こういう映画って、話の種になるし、観なかったら、けっこうずっと、「どんな映画だったんだろう?」って気になるんだよね。
 ネタとして、レイトショーの割引料金くらいで観るにはちょうど良い作品、という感じ。
 この映画の魅力を味わうには、そこそこ観客がいる映画館、というシチュエーションが重要だと思う。家でDVDを観ていたら、いちいち検索してしまいそうだし。

 セリーグは、結局、巨人が3位でCS進出。去年のことがあるので、ラミレス監督のDeNAはイヤだったのだが、なんといっても、巨人には菅野という大エースがいて、短期決戦では、こういう絶対的なエースの存在は際立つ。ただ、今日勝った巨人が、菅野を5回2アウトから登板させて単独最多勝を獲らせる、というような手段をとらなかったのにはホッとした。これで、大瀬良と同じ15勝で終わり、2人で最多勝となった。ただ、巨人も菅野に勝ち星をつけるのにこだわらないのであれば、点差のある最終回に、あえて菅野を投げさせる必要もなかったよなあ。CSファーストステージは土曜日からで、試合勘を保たなければならないほど間隔が開くわけではない。接戦ならともかく、この起用法では、大黒柱を無駄に消耗させているだけに感じた。高橋由伸監督はまつり上げられて梯子を外された「不運な人」ではあったかもしれないが、こういう采配をみていると、うまくいかなかったのにもそれなりの理由があるように思う。


fujipon.hatenadiary.com

A Quiet Place (Original Motion Picture Soundtrack)

A Quiet Place (Original Motion Picture Soundtrack)

クワイエットルームにようこそ (文春文庫)

クワイエットルームにようこそ (文春文庫)