じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

日本シリーズ第4戦。球威やコントロール以前に、状況判断が全くできていないのだから、それで勝てるわけがない。

日本シリーズ第4戦。
初回、1アウトランナー1塁で丸の打球は右中間の長打コース。
俊足の菊池が長駆ホームを狙ったものの、好返球に阻まれてタッチアウトに。
あの場面、次の打者が4番の鈴木誠也だから、菊池は3塁ストップで、1アウト2塁3塁でも良かったのではないか、という解説者やネットでのファンの意見もあるのだが、ソフトバンク側のクッションボールの処理も連携プレーも完璧だったからアウトになっただけで、少しでもズレがあったら先制できていたはず。
昨日と今日の試合に関しては、カープにことごとくツキがなくて、そうこうしているうちに、選手たちも焦ってきて、さらに泥沼にハマってしまっている。
「甲斐キャノン」とか言うけどさ、ペナントレースでの盗塁阻止率は4割5分くらいで、半分以上は走られている。
九州在住なので、見たくもないソフトバンクの試合を見る機会は多いのだが、今年のソフトバンクは選手の高齢化や怪我人などで、明らかに去年よりも戦力ダウンしているし、ミスも多かった。
このシリーズのソフトバンクは、ペナントレースの内容からすると「出来過ぎ」にしか見えない。
カープの側が「あのソフトバンク」というイメージにとらわれて、自滅しているような気もする。


それにしても、野村祐輔の今日のピッチングには失望した。
2アウトを取ったあと、甲斐を塁に出して、バッター上林。上林はけっこう長打力があるので、ここは一発を警戒しなきゃダメだぞ。
 
カーン! 先制2ラン


鈴木誠也のソロで1−2と良い感じで点差を詰めて、その裏、内川、柳田と怖いバッターを打ち取り、2アウトランナーなしでデスパイネ
野村、わかってるな、ここはとにかくホームランだけはダメだからな。
デスパイネの走力なら、ランナーとしては怖くないし、ここで代走も出さないだろうから、フォアボールでも構わないから。


カーン! 再び2点差に突き放されるソロホームラン……


確かに、人というのは「やってはいけないこと」に引き寄せられるものかもしれない。


今日の野村はあまりにもひどかった。
けっして出来は悪くなかったのに、ここぞというところで、ことごとく、打たれてしまった。
僕のような素人がみても、「ここはフォアボールでもいいから、まともに勝負しなくてもいいから、ホームランだけはダメだからな」という場面で、なぜこうなった……
勝負するしかない場面で、勝負して打たれるのは、悲しいし悔しいが仕方がない。
だが、こういう短期決戦、重要な試合では、勝負しないことで結果的に失点のリスクが下がるのなら、徹底的にそれをやるべきだろう。
球威やコントロール以前に、状況判断が全くできていないのだから、それで勝てるわけがない。ただ漫然と投げているだけ。それでもエースのつもりなのか? これは、会澤やベンチの責任でもあるだろうけど。
そして、明らかにコントロールの精度が落ちている野村を5回の裏も続投させてピンチをつくってしまったこと(ヘルウェグのリリーフで失点はしなかったが、回の頭から投手交代しておくべきだった)。
さらに、2点負けている場面で今村の登板。
今村がシーズン後半調子を落としていたので、日本シリーズで起用できるかどうかの試験的な意味もあったのだろうけど、まだ2点差のあの場面でそれをやるのはおかしいよ。もうちょっと点差が開いているか、試合の終盤ならともかく。そもそも、4戦目にもなって「使えるかどうかの判断」をするのは遅すぎないか。
あの場面は、昨日打たれはしたけれども、岡田を先に投げさせるべきだったと思う。


本当に、もどかしく、イライラしっぱなしの試合だった。
今夜は何度、ラジオに向かって罵声を浴びせたことか。
だいたい、新井さんという流れを変えるための切り札を持っているのに、なんでずっと「温存」しているんだ。
緒方監督の采配は「悪いほうに転がり始めると、フリーズして判断力が暴落する」という傾向があるのだよなあ。


それでも、明日の試合にカープが勝てば、五分でマツダスタジアムに戻れる。それなら、十分やれるはずだ。
だが、王手をかけられてしまうと、プレッシャーに押しつぶされて、マツダスタジアムの神通力も通用しないことは、日本ハムとのシリーズで見てきたとおり。


ああ、きついな。
でも、まだ、負けたわけじゃない。


カープかんじドリル 小学1年生 ([テキスト])

カープかんじドリル 小学1年生 ([テキスト])