じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

ああ、これで来年も、ヒーローインタビューで、「鹿児島のじいちゃん、ばあちゃん、俺やったよー!」が聞けるのだな。本当によかった。

久々に、ネットで嬉しいニュースを見た。


www.daily.co.jp


カープ松山竜平外野手が、FA権を行使せず、単年契約での残留を発表。
この記事の松山選手の、これですっきりした、という感じの笑顔をみて、僕は、ありがたさと嬉しさで涙が止まらなくなってしまった。

丸選手のFA宣言は、宣言残留に含みを持たせてはいるけれど、これまでの交渉の経緯や、あのチーム(というか巨人)のこれまでのやり口からしても、デキレースではないかと感じている。残ってほしいのは山々なのだが、これまでのカープファンとしての長年の経験から、「出ていく覚悟をしておいたほうが、多少なりとも衝撃を緩和できる」ことも知っているし。

これまでの僕がみてきた選手のFAに関しては、「ずっとBクラスで優勝なんてほど遠いし、お客さんは少ない地方球団だし、給料は安いし、客観的にみれば出ていきたくなるのもしょうがない」という気持ちもあったのだ。

でも、今は違う。日本一はなかなか掴めないが、セリーグを三連覇し、球場は毎試合超満員でチケット争奪戦が繰り広げられ、外からみればチームの雰囲気もすごく良くて、みんな楽しく、そして向上心を持って野球をやっている。給料は、チームの人気や個人の成績、グッズ収入を考えると、赤字が許されないとはいえ、さすがに安すぎるとは思うけど……

出ていかない理由が「チームへの愛着」くらいしか思いつかなかった、黒田さんや新井さん、O竹がFAした時代とは逆で、いまは「年俸が安い」「地方球団」くらいしか、出ていく理由が見つからないチームになった、はずなのに。

それでもやっぱり、巨人なのか、これだけのチームになっても、丸はそういう選択をするのか。
巨人にFAで行った選手の多くが、期待されたほど活躍できず、死屍累々であり、不祥事が続出しているにもかかわらず。
カープにとっては、これ以上、どうしようもない、まさにピークのチーム状況でも、巨人にはかなわないのか。

世の中結局、金なのか。

そんなに金が欲しいのなら、メジャーリーグに行けばいいのに。
いや、まだ決まったわけじゃないんだけど、金と巨人の魔力って、これほどまでのものなのか。


ダメで失望されるのは受け入れやすいところがあるのだが、ここまで頑張っているのにダメなのか……という状況は、こんなにつらいものなのか。
絶望感に打ちひしがれているなかで、松山選手が「このチームが好きだから」と残留表明してくれたのは、本当にありがたい。
嬉しいというより、ありがたい、という気持ちのほうが、ずっと強い。


なんだか、僕も少し元気が出てきた。
それでもいい、金だけじゃない、と言ってくれる人だって、世の中にはいるのだ。
でも、松山選手をはじめ、活躍した選手には、金銭的にも、それなりの評価をしてあげてほしい。チームへの愛着に期待するのは、最後の手段でしかないから。
丸選手だって、昨年のMVPのときにもっと高評価をして、複数年契約をしていれば、違っていたようにも思うし、来年、再来年のFA対象選手や来年で契約切れるジョンソン投手にも、活躍にみあった条件を提示していってもらいたい。

ああ、これで来年も、ヒーローインタビューで、「鹿児島のじいちゃん、ばあちゃん、俺やったよー!」が聞けるのだな。本当によかった。