じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

2018年のクリスマス・イヴに、2002年に制作された『『ボヘミアン・ラプソディ殺人事件』の再放送を観た。

 クリスマス・イヴなのだが、22日からの3連休となると、今日がイヴというよりは、今日で連休も終わりか……と気分が先に立ってしまう。この30年間当たり前だと思っていた12月23日の祝日も、来年からは無くなるのだよなあ。まあ、いまの僕くらいの年齢になると、クリスマスは出費がかさむ、という感覚しかないんだけどさ。
 子どもたちは終日、スイッチの『スマブラ』で遊んでいたのだが、立ち上がってテレビに向かって身体を動かしながら、「えい!」「そんなの無しだよ~」などとずっと喋っていて、その体力には感心する。
 そして、いくらやられてもめげずにプレイしつづけ、いつのまにか使えるキャラクターがものすごく増えていた。
 僕は3回くらい遊んで、CPUに全く歯が立たないので、もういいや、と投げやりになっていたのに。
 このやる気が勉強に発揮されれば……と、世界中の親が思っているのだろうけど。

 お昼に、『ボヘミアン・ラプソディ殺人事件』の再放送を観た。フレディ・マーキュリーのお母さんがものすごく若くて驚いたのだけれど、16年前につくられた番組だったのか。
 映画『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットしていて、クイーンブームの今つくられたので、かえって冷静に『ボヘミアン・ラプソディ』という曲とその背景について語られていたような気がする。
 生では演奏できない曲だったので、プロモーション・ビデオが流され、それがすごく話題になった、という話や(映画でも『ボヘミアン・ラプソディ』が途中で終わって次の曲になったのは、単純に「全部ステージで再現できない曲だったからだったのだ)、デーモン小暮閣下が「この長い曲には、『ボヘミアン』というフレーズがまったく出てこないのに、『ボヘミアン・ラプソディ』なのは謎だ」と話していたのは興味深かった。
 クイーンは、メンバーが大卒・大学院卒のインテリだったのだけれど、番組に出ていたサンプラザ中野さんもデーモン閣下も早稲田だから、高学歴ミュージシャンが惹かれる存在なのかもしれない。
 もっとも、あらためて考えてみれば、作家とか音楽家って、けっこう偏差値が高い学校を出ていることが多いのだけれども。
 番組の最後にフレディのお母さんが、『ボヘミアン・ラプソディ』を聞いてショックを受けて(いきなり、「ママ、僕は人を殺してしまった」で始まる曲なのだから、そりゃそうだよね)、フレディに曲の意味をきいたら、「これはただのお話だから、僕にも説明できない」と答えていた、というエピソードが紹介されていた。
 そして、「ミュージシャンには一生に一度、天から降ってくるようにこういう詞を書けるときがある。その意味を解釈しようとする必要はないと思う」というコメントもあった。
 これはもう、「そういうもの」なのだ、としか言いようがないのだろう。
 番組中では、『ボヘミアン・ラプソディ』は、歌いやすく、面白いフレーズが出てくるので忘れられない曲、と言っていた人もいたし。
 名曲、とはいうけれど、この過剰な曲は、笑いのネタとしても、多くの人に親しまれてきたのだ。
 この番組の最後は、「(『ボヘミアン・ラプソディが発表された)当時のイギリスは、『英国病』と呼ばれる出口が見えない不況に悩まされていて、今(2002年)の日本に似ている。だからこそ、今の日本の状況を乗り切るヒントが、この曲にあるのではないか」と締めくくられていたのだが、その16年後にこの番組を観ると、結局、日本はそこからうまく脱出することができなかったみたいだ。そしてその16年後、また、多くの日本人
が『ボヘミアン・ラプソディ』とクイーンに魅了されている。


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ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)

ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)

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