じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

「本は好きなだけ買ってやる」と言っていた父親のこと

 今年最後の出勤日。いまの勤務先では、休日の呼び出しは原則的にはないので(電話はときどきかかってくるけど)、とりあえず仕事納めだ。仕事を終えて、周りの人たちに「よいお年を」と挨拶をしていくのが、なんだか妙に気恥しい。1週間もしないうちに、同じ人に「本年もよろしくお願いします」と言うのがほぼ確定しているのだから、もう、普段通り「おつかれさまでした」で良いのではなかろうか。こうして区切りをちゃんとするのが大事なのだ、という人の意見も尊重はするけれど。僕だって、年越しという意識がなければ、家が片付かないし。
 長男が通っている塾や家庭教師の費用を確認して、とりあえずまだまだ僕も頑張って働かなくてはな、と思う。
 結局、親が子どもに遺せるものは財産か教育しかなくて、僕の場合は財産は期待薄なので。
 僕の父親は基本的に自分のためにお金を使うことを優先する人だったが、僕が子どもの頃から、「本は好きなだけ買ってやる」と宣言し、それはずっと守ってくれた。息子が抱えてくる、大量の似たような本を眺めて、「これ、この間読んでいたやつと一緒なんじゃない?」とか内心うんざりしていたのかもしれないが、それを口にも顔にも出すことはなかった。自分が親になってみると、子どもたちが同じような乗り物の本とかばかり持ってくると、「もったいないなあ」って思ってしまうので、僕の父親もけっこう耐えていたのではなかろうか。この本代で、一杯やれるのに、とかなんとか。もっとも、ええ格好しいだったので、飲み代は派手に使っていたから、子どもの本代など、はなから歯牙にもかけなかったのかもしれない。本当はどっちだったのか、僕にはいまだによくわからない。
 まあしかし、あらためて考えてみると、教育にお金をかけている家庭と経済的にそれが難しい家庭とが、同じルールで勝負するというのは、ものすごく不公平ではあるな。
 今年の競馬の最後の大一番、東京大賞典は、3歳馬のオメガパフュームがゴールドドリームケイティブレイブらを破って優勝。1着ミルコ・デムーロ、2着ルメール両騎手は昨日のホープフルSと同じ。今年は本当に3歳馬と外国人騎手の年だった。


本の雑誌427号2019年1月号

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