平日休みなので、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』を観に映画館へ。
そういえば、これが今年初映画か。
原作を読んでいたので、どんなふうに映画化されたのだろう(けっこう厚い本だし)、と思いながら観ていたのだが、筋ジストロフィー患者で、大勢のボランティアとともに自立生活を続けていた鹿野靖明さんを大泉洋さんが演じ、前半は、観ていてイライラするくらいの鹿野さんのワガママさ、後半は、他者の助けがなければ生きられず、それでも、自分の生を充実させたいという正直さがうまく描かれていたように思う。
ただ、逆に言えば、映画としてうまくまとめるために、ボランティアの人たちの反発や葛藤がかなり抑えられていて、「鹿野さんのおかげで、みんなが幸せになれた話」になっていたようにも感じた。
まあ、これはあくまでも娯楽映画であって、ドキュメンタリーじゃないし、だからこそ、多くの人にとって「見やすい」とも言える。
鹿野さん役が大泉洋さんというだけで、けっこう、のど越しが良くなるだろうし。
吉田沙保里選手の引退会見で、「LGBTについてどう思いますか?」という質問をした人が話題になっていて、「あの場でそういう質問をするのは場違いだし、失礼ではないか」という意見がネットでは多かった。僕もそう思う。だが、もしハリウッドスターだったら、そういう質問が突然投げかけられても、「自分の意見」を語ったのではないか、という気もするのだ。それが良いとか悪いとかじゃないのだけれど、吉田さんは、本人の意識はさておき、社会的に大きな影響力がある人なので、これからは、社会問題についての自分のスタンスは定めておくべきなのかもしれない。そういうところまで、「グローバルスタンダード」に合わせる必要があるのか、とも思うけれど、少なくとも、「私にはわからない」という潔さが賞賛される国ばかりではないみたいだし。
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