じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

僕が経験する「新しい紙幣」は、これが最後になるかもしれないなあ、と思う。

 一日の仕事を終えて、寝る前にネットのニュースを確認していたら、数年度をめどに、お札が新しくなるらしい。
 元号が新しくなるのに合わせて、気分一新、ということか。
 1万円札が渋沢栄一5000円札が津田梅子、1000円札が北里柴三郎の各氏に変わるとのこと。そういえば、お札というのは定期的に刷新されるものだった。僕が子どもの頃の1万円札は聖徳太子で、それが福沢諭吉に替わり、そして今度は渋沢さんになるのか。
 ギャンブル界隈では、1万円札を「諭吉」と呼ぶことが多かったのだが、これからは「渋沢」あるいは「栄一」になるのだろうか。なんとなく「諭吉」の親しみやすさが失われてしまうようで寂しい。そういえば、聖徳太子の時代には、みんな「聖徳太子1枚」という感じで、略してはいなかったような気がする。「聖徳1枚」「太子1枚」って、言いにくいし、「太子」は固有名詞じゃないし。
 もしかしたら、僕が経験する「新しい紙幣」は、これが最後になるかもしれないなあ、と思う。そして、キャッシュレス化が世界で進んでいくなかで、これが日本で最後の「新しい紙幣」になる可能性だって少なからずあるのではなかろうか。
 「諭吉」が登場したときには想像もできなかった時代を僕は生きていて、僕の子どもたちは、僕には想像もつかない時代を生きていくことになるのだろう。


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