じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

「親バカ肯定小説」としての『そして、バトンは渡された』

 カープは今日もマツダスタジアムでの試合。相性の良いヤクルト相手で、先発はジョンソン。
 この試合は勝てる!……はずだったのだが、はじまってみれば、ジョンソンが初回に3失点、2回に2失点、3回に1失点。序盤で試合はほとんど決まってしまった。どうしたんだジョンソン……開幕前の謎の登板延期の原因が解消されていないのか、それとも、エルドレッドがいなくなって寂しいのだろうか……一昨日の日曜日といい、聖地・マツダスタジアムで、こんな情けない試合が続いてしまうのは、この3連覇の期間中には無かったことのはず。
 ヤクルト打線が凄まじいとはいえ、これはひどい、ひどすぎる。もっとも、ここまでどうしようもないと、接戦でも惨敗でも、1敗は1敗だからな、という、半ば開き直ったポジティブ思考にもなってしまう。銭ゲバがいなくなったから弱い、というよりは、チームとしてのピークが過ぎる時期に、銭ゲバも去っていったのだろうな。いやしかし、シゲルピンクダイヤといい、世の中うまくいかないものだ。

 2019年の「第16回本屋大賞」の受賞作は瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』。
 子供を持つ親としては、「なんのかんの言っても、子供とともに歩む人生は幸せなのだ」という気分にさせてくれる「親バカ肯定小説」で、僕が中高生のときに読んでいたら、「何この恩着せがましい話。だいたい主人公の優子って、いい子なんだか感情が鈍麻した人なのかわかんねえ」とか毒づいていたのではなかろうか。
 でも、今の僕が読むと、それなりに感動してしまうし、頑張って子供たちと生きていこう、と思えるのも事実だ。親にだって、そのくらいの「報い」はあってもよかろう。
 「虐待」とか「毒親」とかいう話題ばかりの世間でもあり、親も子も、それぞれひとりの人間として、自分の幸福を追うのであれば、「家族」というのはバラバラになっていくのが時代の流れではあるのだけれども。


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本屋大賞2019

本屋大賞2019