じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

『コレって私、悪くないよね?』という新番組は「悪くない」けど、現時点では、ちょっと惜しい感じではある。

 朝から夕方まで外出。
 家に帰ってきて、昨夜録画していた、『コレって私、悪くないよね?』というテレビ東京系の新番組を観た。
 冒頭の、25歳男性の「会社で上司に『やる気がないんだったら帰れ!』と言われて、そのまま帰ろうとしたら、『本当に帰ってるんじゃねーよ』と怒られた、これって私、悪くないよね?」というのって、どういう議論になるんだろう、と思っていたのだが、5人のパネラーがそれぞれ一言コメントを出して終了し、けっこう残念な感じ。
 このテーマは、もうちょっとちゃんと時間をかけて議論してほしかった。
 その後も、テンポは良いものの、多数決だけで「悪いか悪くないか」が決められていくようで、どうも物足りない感じだった。
 途中からは、「有識者による議論」とか「アンケートの結果」なども出てきて落ち着いてきたのだけれど、「バイキングで酢豚の肉ばかり取る人は悪いのか?」なんていうのは、なかなか興味深い話ではある。
 実際「好きなものを好きなだけ食べられる」はずのバイキングだけれど、本当にみんなが自分の欲求に忠実であれば、成り立たないところはあるのかもしれない。そんなに同じものばっかりは食べられないし、食べたくもないというのが「普通」なのだろうけど。
 ミニスカートをはいていいのは、30歳まで、とか、そんなの人それぞれというか、好きにすればいいだろう、としか言いようがないのだが。
 あと、ゲストに堀江貴文さんが来ていて、「寿司屋で10年修業する奴は馬鹿だ」という発言が「悪い」か「悪くない」か、というのが議題になっていたのだが、街の人の声が10対7で「悪い」だったのを受けて、堀江さんが「案外、健闘してたんじゃないか」と言っていた。
 ただ、この件に関しては、「寿司屋」というものをひとまとめにして考えるところに問題があって、「銀座の超高級寿司店」みたいなところで、日本代表クラスになる人には、それなりの修業期間は必要なのではないかと思う。ただし、店の掃除とか「見て盗む」ところから始める、というのは、いまの時代にはあまりにも遠回りすぎるのは否めないのではなかろうか。そもそも、世の中の回転寿司では、寿司ロボットがシャリを握って、その上にネタを載せたものが「寿司」として回ってくるのだし、それを客も「寿司」だと認識している(僕だってそうだ)。
 そんななかで、「寿司職人」としてロボットと差別化できるくらいの寿司を握れるくらいで良いのか、それとも、日本代表クラスを目指すのかによって、必要な修業期間というのは大きく変わってくるはずだ。
 同じ「野球をやる」といっても、草野球でコーチできるくらいになるための練習時間と、プロ野球選手のトレーニングに差があるのは当然のこと。
 そして、個人のセンスというのもあるのだろうな。
 フランス料理やイタリア料理の世界だと、有名なシェフは若い頃から頭角をあらわしていることが多いことを考えると、寿司だって、できる人は若くても旨い寿司を握れるはずだ。
 実際の寿司屋をみていると(そんなに経験豊富ではないけれど)、とくに地方のカウンターで食べるような寿司屋というのを長く続けていくためには、客あしらい、みたいなものが大事な感じがするし、そういうセンスとか経験は、なかなか学校では学びづらいかもしれない。
 『コレって私、悪くないよね?』、なかなか面白かった、というか、堀江さんが出ていると、議論が盛り上がるのは間違いない。
 観ていてちょっと意外だったのは、堀江さんがSNSで他人の子どもの写真をアップすることに対して「悪くない。そんなの何も起こらないよ」とコメントしていたことや、藤本美貴さんがけっこう保守的というか「世間が……」みたいな考え方だったこと、そして、修業期間が長い芸人の小峠さんが、堀江さんの「寿司屋で10年も修業する奴は馬鹿」に対して、「悪くない」を上げていたことだった。
 客としては、10年でも20年でも修業して良いものを出してくれれば良いのだが、修業するほうはたまらん、ということなのかもね。
 
 出かけていて疲れたのか、体調もいまひとつだったので、22時くらいに横になり、そのまま朝まで眠ってしまった。


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