じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

映画『怒り』とボブ・ディランの「ノーベル文学賞」受賞

お昼から出かけ、映画『怒り』を観賞。
ずっと観ようと思いつつも、なんとなく先送りにしていた作品だったのだが、そろそろ上映終了しそうな感じでもあったので。
うーん、なんというか、ひたすら「嫌な感じになる爆弾」をスクリーンの向こうから投げつけられ続ける2時間20分、そんな映画だった。
もちろん、すべての映画がハッピーエンドである必要はないのだが、「世の中には、こんなにいろんな疑心暗鬼や理不尽な悪意が存在するんだよ諸君」と言われ、何の光明も見出せないまま(って、作っている側は、それらしきものを提示しているつもりなのかもしれないけどさ)終わってしまうし、謎解きの要素もないし。
渡辺謙さんや宮﨑あおいさんや妻夫木聡さん、松山ケンイチさんなどの名優たちが勢揃いし、熱演を繰り広げて観客を不安かつ不快にさせてくれるという、なんというか救われない作品だ。
ほんと、「じゃあ、どうしろって言うんだよ!」って、僕も言いたくなるよこれ。
原作の小説では、それぞれの登場人物の背景が丁寧に描かれているのだけれど、なんだか、ほとんど関係のない短編映画を3本、バラバラにして見せられているような感じ。
まあでも、「犯人はだれ?」とかはいちおうちゃんと答えが用意してあって、なんというか、「問い」がわからないまま「答え」が投げ出されている、という気もする。
しかし、これだけいろいろ書きたくなるというのは、それはそれで「面白い」映画だということなのか。


CSファイナル第2戦。
カープの先発・野村祐輔は、打球が首に当たるというアクシデントもあり、シーズン中も絶対的な投球というよりは、勝ち運に恵まれていた印象で、正直だいじょうぶかな……と不安だったのだけれど、蓋を開けてみれば6回3安打無失点の快投をみせてくれた。ごめん、今シーズンの最多勝はできすぎじゃないか、ってちょっと思っていたけれど、野村さんは本物です。
7回から今村、ジャクソン、中崎とつないで、今日も完封勝ち。
しかし、最初の2試合、これだけカープ側からみると完璧な連勝だと、かえって「好事魔多し」ではないかと心配になってくるな、取り越し苦労であってくれればいいが。
パリーグは4−3で日本ハムリードで試合は9回へ。九州のラジオ局のアナウンサーは悲壮な調子でホークスの反撃を期待していたのだが、まあ、日本ハム強いな、と思いつつコンビニへ。
ところが、コンビニから戻ってきたら、ソフトバンクが6−4と逆転していた。
さすがは王者・ソフトバンクといったところか。
これで、パリーグはとくに、まだわからない感じになったなあ。

20時からノーベル文学賞が発表され、受賞者は、ボブ・ディラン
ん?ノーベル音楽賞?
ボブ・ディランの名前は、何年か前からノーベル文学賞の「意外な候補」として挙がってはいたのだけれど、僕は「憲法9条にノーベル平和賞」みたいなものだとばかり思い込んでいた。
これまで詩や戯曲にノーベル文学賞が与えられたことはあったけれど、さすがにミュージシャンにまで門戸を広げると、収拾がつかなくなるじゃないか。
僕自身はボブ・ディランをよく知らないので作品そのものについてはなんとも言えないのだが、どちらかというと、彼の作品そのものよりも、彼の作品が社会に与えた影響のほうを評価しているような気もする。
それなら、ノーベル平和賞じゃ、ダメだったのかなあ。
村上春樹さんは今年も受賞ならず、ではあったが、ボブ・ディランとはフィールドが違いすぎて、これはもうどうしようもないな、としか言いようがない。

26時に就寝。


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