じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

『ドキュメント72時間』を観て、「この人はなぜ、緊縛師になろうと思ったのだろうか?」と考えていた。

 宮崎駿監督が引退を撤回し、新作長編アニメーションをつくる、というのがスタジオジブリの公式サイトで告知された。
 でも、ジブリって、たしか宮崎監督の引退に伴って、制作スタッフの雇用をやめてしまったんじゃなかったっけ?と思ったのだが、新作のために、またスタッフを募集するらしい。もちろん、宮崎駿監督の作品だから、それなりの実力者が集まってくるはずだけれど、どうせだったら、引退宣言しないで『風立ちぬ』のあと、次の作品をつくっていれば、いろんなことがもっとスムースにいったかもしれない。
 本人は『風立ちぬ』で、本当に引退するつもりだったんだろうけど、身体と脳が動くかぎりは、じっとしてはいられない人なんだろうなあ。むしろ、よく4年間も「引退」していたものだ。
 気になったのは、ニュースで伝えられていた「年齢的には、今度こそ、本当に最後の監督作品になるでしょう」というコメントで、本人が言ったのかと思いきや、そうではないみたい。
 現実的にそうなる可能性はあるけれど、本人以外が、引退宣言後の復帰で、「これで最後」って言うのはなんか感じ悪いよねえ。「靴のオットー」かよ。

 『ドキュメント72時間』を観賞。
 今日は新宿の大型手芸店。東京の人なら、「ああ、あの店のことか」って、すぐ思い浮かぶのだろうけど。
 31歳男性の緊縛師が取材されていたのだが、観ながら、「この人はなぜ、緊縛師になろうと思ったのだろうか?」と考えていた。
 野球選手やケーキ屋さん、学校の先生とかなら、きっかけも想像がつくのだが、「緊縛」というのはSMのなかの一ジャンルでしかないし、それで食べていくのは、けっこう大変だと思う。
 でも、彼にとっては、「これじゃないとダメだ」と感じる何かが、そこにあったのだろうな。
 手芸店に来るいろんな人をみていると、世の中には「つくりたい人」というのが、有名・無名にかかわらず、こんなに大勢いるのだな、と圧倒されてしまう。
 みんな「特別なもの」になったり、そういうものをつくったりしたい、と思いつつ、日常を生き、死んでいく。
 病院で働いていると、たまに、自費出版の作品集や自伝などを渡されることがあるのだが、僕は活字中毒者にもかかわらず、そういう本を開くのをためらってしまう。もちろん、捨てたりはしないのだけれど。

 レイトショーで、映画『メッセージ』を観に行った。
 予告編をみて、なかなか面白そうだと思っていたのだが、「この先どうなるのか?」がわからない、最近では珍しい映画だったと思う。
 ただ、このくらいの作品でも、説明不足な感じがしてしまうのは、僕がふだん、過保護なくらいなんでも説明してくれる映画を観ているからなのだろうか。
 面白いんだけどなあ、うーむ、「この後」の主人公のことを想像すると、なんだかとてもせつなくなる映画だった。


 25時に就寝。


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