じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

「私は個人で生きてる人間」って、思ったことありますか?

 ゴルフの宮里藍選手が引退する、というニュースに、そういえばひさしぶりに名前を聞いたような気がした。
 そうか、最近成績が振るわなかったものなあ、でも、そんな年齢だったっけ?と思いつつネットで確認したら、31歳だそう。
 まだやれるんじゃないか、というようなことは、本人はもうさんざん考えて、練習や調整もしてきたはずで、その結果出した結論なら、仕方がないのだろう。
 あれだけ活躍した人なのに……とは思うし、プロゴルファーは比較的高齢までやっている人も多いのだが、タイガー・ウッズさんのことを考えると、一度歯車が噛みあわなくなってしまうと、元に戻すというのは本当に難しいのだろうな。
 31歳での引退について、本人は何を語るのだろう。
 でも、次にやりたいことがあるのなら、このままずっと「うまくいかない自分」と付き合っていくより、新しいことに行くのは、悪いことではなかろう。それも、まだ若いうちに。

 『ドキュメント72時間』は、「禅寺修行、始めてみました」。
 1泊数千円で手軽に修行体験できるという京都の禅寺の定点観測なのだが、僕はこういうのって、「2泊や3泊で何かが変わるってものでもなかろう、終わったあとのビールが美味いくらいのものだ」と思っていた。
 まあ、たしかに半ば観光的な人もいたのだけれど、みんなそれぞれ、いろんな想いがあって、自分と向き合うきっかけが欲しいのだよね。
 気分を変えるためには、自分に言い聞かせるより、環境を変えるのが手っ取り早いというのは、この年になってみると実感する。
 こういう修行を辛抱するだけでも小さな自信にはなるだろうし。
 観ながら、25年前にオウム心理教に心を奪われてしまった人たちも、最初はこんな感じだったのかもしれないな、と考えていた。
 もちろん、この禅寺には悪意はないと思うけれど。いや、オウムだって、彼等にとっては、たぶん、善意だったのだが。
 レースクイーンとかをやっていたという、フランスから来た30歳の女性が、「私は個人で生きてる人間なので、どうなのかなと思って」と言っていた。
 僕は40何年か生きているけれど、「個人で生きている人間」なんて、思ったことは一度もないなあ。それをためらわずに口にできるのって、なんかすごい。

 カープは岡田の力投で巨人に東京ドームで快勝。
 正直、東京ドームの巨人戦は、3タテ食らわなければ、それでもうひと安心。

 24時に就寝。


川べりの家

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