じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

映画『関ヶ原』は、あまりにも「余計なもの」が多すぎる。

 8月も30日。ラジオでは「夏休みの宿題を毎年31日までやっていて、来年は7月中に終わらせる!と決意するのだけれど、やっぱりギリギリにならないとやらないの繰り返しだった」という話をしていた。僕もけっこうそんな感じだったよなあ。でも、後半くらいまでは「やらなくちゃ!でも、もう夏休みも残り少ないし、今日は遊ぼう!」と思っているうちに30日や31日になり、「今さらやっても、手遅れだな」と開き直って、不安ながらも結局やらない、という年が多かったなあ。
 まあ、そんなの自慢にもなんにもならないのだけれど、宿題をやらなかったことによる何らかのトラブルや罰というのも、あまり記憶にないなあ。
 息子には「ちゃんとやらないとダメだよ」と言うのだけれど。
(そうだよなあ、パパみたいになっちゃダメだぞ)

 仕事を終えて、映画『関ヶ原』を観に行った。
 歴史好きとしては、ネットでは評判が今ひとつでも、このテーマに挑戦した作品は、観ないわけにはいくまい。
 岡田准一さんの石田三成には、「官兵衛!こんなところで、何やってるの?」っていう違和感があったのと、役所広司さんの徳川家康平岳大さんの島左近以外は、なんというか、豪華キャストで歴史上の人物を描いているのに、上っ面だけをなぞっているというか、あんまり血が通っている感じがしないんだよなあ。監督に役割を演じさせられている感じ、とでも言えばいいのか。有村架純さんが、また「有村さんが出演しているという既成事実をつくるため以上の意味が感じられないヒロイン」を演じさせられていて、ちょっとかわいそうになってきた。
 こういう役、もうちょっと向いてそうな女優さんがいるだろうに。というか、この初芽というキャラクター自体、この映画に必要なのだろうか。
 まあ、『関ヶ原』というテーマは、あまりにも有名なために、上映開始の時点で、観客のほとんどにネタバレしている状態なので、大変だろうな、とは思う。
 長い原作を2時間半にまとめると、こんな感じになるのもわかるのだけれど、なんというか、「結果ばかりが出てきて、なぜそうなったのかが伝わってこないので、登場人物の感情についていけない」のだよなあ。
 『プロ野球ニュース』で見る、野球の試合みたいだ。
 ただ、この映画をみると、石田三成が負けた理由はよくわかった。
 というか、徳川家康相手に、これだけの大戦をやってのけた三成はすごかったとは思うし、その一方で、三成がさっさと退場してしまったほうが、豊臣家にとってはプラスになったのではないか、という気もする。
 もちろん、そんな問いに答えなど無いのだけれど。
 『関ヶ原』というテーマは、もっと時間をかけて作ってほしかった。
 松山ケンイチ直江兼続とか「何のために出てきたの?」って思ったし。
 そういう「もったいないキャスト」が多すぎるよこれ。
 あと、名詞のあとに「。」をいちいちつけているのは、なぜなんだ……名詞のあとに「。」がハマるのは『モーニング娘。』だけで十分。重厚な歴史ドラマの場面転換のたびに、これを見せられるとかなり気が滅入る。
 
 25時に就寝。

fujipon.hatenadiary.com

関ヶ原(上中下) 合本版

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関ヶ原

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