じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

これはもう、マツダスタジアムでは胴上げできない運命なのか……

 お昼までの通常業務+夕方までの居残り当番。
 台風が近づいてきていることもあり、外来は比較的落ち着いていた。
 とはいえ、世の中には「天候が悪くて仕事ができないから、病院に検査に来ました」という仕事の人もいるのだ。

 午後、外来の待合室から、ソフトバンク優勝の瞬間の歓声が聞こえてきた。
 ああ、結局、ソフトバンクに先を越されてしまったな。

 台風が近づいてきている状況で、屋根の無いマツダスタジアム
 台風の進路を考えると、明日の試合開催は絶望的だ。
 なんとか今日決めたいが、今日も雨天中止になりそう……

 しかしながら、ホームでの胴上げを願うファンの思いが通じたのか、試合時間を30分繰り下げてのプレイボールとなり、試合中は酷い雨にもならなかった。甲子園が中止になったにもかかわらず、より西にある広島がなんとか試合を開催しようとしたのは、「空気を読んだ」ところもあったのだと思う。
 試合はカープが薮田、ヤクルト小川の先発ではじまったのだが、ネットの書き込みによると、球場は初回から異様な雰囲気だったらしい。勝てば優勝、今日を逃すと、明日は雨天中止の可能性が高く、ここでの胴上げは厳しくなるしなあ。何より、今日の観客にとっては、目の前で優勝を見たい、という気持ちは強いはず。いまのマツダスタジアムは、今日ダメなら、明日のチケットを取ればいい、という状況ではなく、売り出された途端に完敗してしまうプラチナチケットになっている。
 カープが2点先制し、これはもう優勝に一直線!かと思いきや、ヤクルトに追いすがられたものの、新井さんの9号ホームランで、役者が揃った!
 ……が、しかし、ヤクルトも意地をみせ、大松のタイムリーで4−4の同点。
 まあ、いまひとつ締まらないけれど、引き分けでもカープの優勝は決まるし……
 ところが、8回の表に登板した今村が誤算で、四球を連発してピンチをつくり、4−5とヤクルトに逆転されてしまった。
 いやしかし、今年のカープなら逆転できるはず。
 ソフトバンクみたいにビジターでも西武を圧倒して余裕のゴールイン、とはいかなくても。
 9回の裏、1アウト1塁3塁の大チャンスで、バッター丸が倒れ、代打エルドレッドも三振……せめて同点に追いついてほしかった……
 ホーム胴上げを実現させるべく、9月は勝ち続けてマジックを減らし、今日も中止濃厚な天候が奇跡的に試合終了までもってくれ、新井さんの久しぶりのホームランも出て、ここまでは何もかもがうまくいき、マツダスタジアムでの胴上げのお膳立ては万端、のはずだった。
 だが、最後の1ピース、今日の試合結果だけがついてこなかった……
 去年もペナントレース地元胴上げか、というところで、巨人が勝ってビジターに持ち越しになったんだよなあ。
 台風が来なければ、今日だって、明日は中止濃厚というプレッシャーがなく、もう少しラクに試合ができただろうし、明日も含めて2試合あればひとつは勝てたと思うのだが(まだ、明日も中止と決まったわけではないけれど)。
 これはもう、マツダスタジアムでは胴上げできない運命なのか……

 おかげで、九州人的には、ソフトバンクと同日優勝になったため、カープのビールかけや優勝特番がほとんどスルーされる、という悲劇は避けられたのだけどさ。
 なんだか、今日一日の明暗だけでも、ソフトバンクの横暴なまでの強さとカープの結果的にはゲーム差をつけての首位だけれど、綱渡りの連続の勝ちという現状が浮き彫りにされた感じがする。
 工藤監督が、優勝インタビューで、「去年の屈辱」を思い出して涙ぐんでいたのをみて、「勝って当たり前」と言われるチームを指揮するのもキツいのだな、と思い知らされもしたのだけれど。

 ソフトバンクとの同日優勝はイヤだ、ってさんざん言っていたけれど、たしかにそれは避けられたけど、こんなんじゃなんだよ、僕が求めていたのはっ!
 脱力しつつ、22時くらいに寝てしまい、夜中に目が覚めて困った。


広島アスリートマガジン2017年10月号

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カープ坊やお薬手帳(10冊)

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