春の天皇賞。
今年の出走登録馬をみたとき、これは寂しいメンバーだな、と思った。
G1馬は昨年のジャパンカップを勝ったシュヴァルグランだけで、そのシュヴァルグランも前走の大阪杯では見せ場のない13着。
いくら伝統のあるレースとはいえ、もう今の時代、3200mの長距離戦は流行らないのも致し方ないところか。去年まではキタサンブラックがいたので、そこまで低レベルが目立たなかったのだが、今後の春の天皇賞は、低レベルメンバーで一発狙いみたいな馬の出走が多くなっていくのだろうな。
とりあえず、6枠のシュヴァルグラン、レインボーラインのどちらかが来るのではないかと思うのだが、このメンツなら、スローペースになって、内枠の先行馬がそのまま残る可能性もあるのではないか……それなら、好調藤岡祐介騎手のガンコあたりが怖いな、あとはカレンミロティックあたりも……
などとなかなか考えがまとまらないまま、結局、6枠から手広く買い、あとはガンコからも何点か購入。また、当たってもそんなに儲からず、外れたら大ダメージの馬券を買ってしまった。いかにも荒れそうなレースだと思いつつ。
ところが、レースは僕の予想に反して、そこそこのペースで流れて、ボウマン騎手のシュヴァルグランもガンコと同じくらいの前目のポジション。
レースをみながら、さすがボウマン!シュヴァルグランにはこういう前でのレースをしてほしかったんだよ!と頷く。
サトノクロニクルなどが早めにまくってきて、最後の直線では早いうちにガンコは失速。内からミッキーロケットが伸びてきたときには、うわっ、和田か!と驚いたのだが、ボウマンの叱咤にこたえて、シュヴァルグランもしぶとく伸びる、外からはクリンチャー。三浦、乗り替わりでもやるじゃん!でもシュヴァルグランは交わせそうにない。
ボウマンお見事!と言いかけたゴール前、同じ緑の帽子のレインボーラインが内から差してきて、シュヴァルグランを差し切って悲願のG1制覇。
道中はずっと後ろのほうの位置どりで、今の天皇賞でこのポジションは厳しいだろう、と思っていたのだけれど、最後は馬群を縫うようにすごい末脚を発動した。
僕のような枠連・馬連派にとっては、今日のボウマン騎手の騎乗は完璧だったし、さすが、と言いたいのだが、結果的には、一か八か脚を溜めた岩田騎手が賭けに勝った、という感じ。
岩田騎手は、レッツゴードンキの桜花賞以来のG1勝ちになるのだそう。
一時期は、また岩田か……というくらい勝ちまくっていたのだが。
最近の騎乗をみていると、岩田騎手もようやく長いスランプから脱してきた気がする。
いかにも荒れそうだと思うときは、案外、堅い決着になるものだな。
ほんの少しのプラスではあるものの馬券は的中したし、レインボーラインが悲願のG1制覇ということで、うんうん、と機嫌良くテレビを眺めていたら、岩田騎手がレインボーラインから下馬。岩田騎手もオルフェーブルのときの池添騎手のように、レインボーラインに落とされたのかな、と思ったら、どうも歩様がおかしい。レースのVTRを確認すると、先頭でまさにゴール版を通過しようとする、その勝利をきめる一歩で、レインボーラインがバランスを崩しているようにみえた。
これまで、秋の天皇賞で圧倒的一番人気を背負い、大きく後続を引き離して逃げている途中で怪我をしてそのまま逝ってしまったサイレンススズカ、朝日杯3歳Sで2着に入ったあとに予後不良となったタガノテイオー、宝塚記念で命を落としたライスシャワーもみてきた僕も、G1レースで勝った直後のこんなアクシデント、というのは記憶にない(そして、記録にもなかった)。勝利騎手インタビューの岩田騎手も、悲痛な表情で、インタビュアーも何を聞いていいのやら、という雰囲気だった。
最近また強くなってきているとしても、この春の天皇賞の距離以外では、不良馬場にでもならないと、レインボーラインがこれからG1を勝つ機会がそうあるとも思えないのだが、だからといって、「命と引き換えにでも、G1勝ててよかったですね」とは言えない。それにしても、本当にタフに走り続けてきた馬だけに、せっかくの晴れ舞台でこんなことになるとは。
『蒼き神話マルス』を思い出して、縁起でもない、と自分を戒める。
怪我した脚も地面にちゃんとついているので、すぐに予後不良ということはなさそうだけれど……
その後のJRAの発表では、「右前肢跛行」との診断。まあこれは診断名というよりは症状名なのだが、少なくともすぐに安楽死、というものではなさそうで安心した。
G1・春の天皇賞を勝ったので、競争能力消失でも功労馬として余生は保障されることになるし。
レインボーライン、最近の2つのレースをみると、本当に強くなっている可能性も十分あったので、この好調な状態で、もう一度中距離で見てみたくもあったな。
カープは勝ったし、明日もとりあえず仕事は休みだし、悪くない『昭和の日』だった。
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