ゴールデンウィークの合間の平日。
仕事を終えたあとショッピングモールの書店に寄ったのだが、遅めの時間だったにもかかわらず、ものすごく人が多くて驚いた。
TOKIOの山口達也さんを除く4人が会見。
この状況での会見ということは、解散とかグループでの活動停止を発表するのか、と思っていたのだが、山口さんから「退職」の申し出があったものの、とりあえず保留にして、当面は4人でグループ活動を行っていくという内容だった。
山口さんはずっとTOKIOのメンバーとして芸能活動をしてきて、その知名度や信頼もそのグループのおかげなのだから、とは思うのだが、他のメンバーにどこまで「連帯責任」が及ぶのか、というのは難しいところだ。僕の理屈としては、自分の同僚の医者が酷いことをやったからお前も謝れ、と言われたら、「ご迷惑をかけました」と頭を下げるくらいはやぶさかではないが、「お前のせいだ」と言われたら、そこまで他人の面倒は見切れないよ、としか答えようがない。未成年の息子であれば親の責任が大きいと思うが、成人した兄弟であれば、お互いが日頃プライベートでどうしているのかなんてよくわからないのが普通だろう。
ただ、こういうのって、謝らなくてもいいのに、とは思うけれど、相手から「謝罪の必要なんて無い」と言われたら、けっこう不快なんだよなあ、たぶん。
松岡昌宏さんが、「何度も何度も昔から同じことをしてしまい、迷惑をかけてきた。僕らはそれをアルコール依存症だと思っていた」が「医師の診断では依存症と書いていなかった」と話していた。
これはたぶん、山口さん自身の希望やタレントとしての立場を考えて、あえて診断書にその病名を書かないことにしたのではなかろうか。僕は精神科医ではないけれど、アルコール依存症の診断というのは、癌の診断のように病理でがん細胞が見つかったら確定診断、というものではないので。
「何度も何度も昔から同じことをしてしまい」というのをきいて、「それでこんな事件を起こしたのなら、それは本人の責任だろう」としか言いようがない。
1か月入院していたというのは、本人の意思だけではなく、事務所も状態をある程度把握していたはずなのだから、そこで徹底的に治療することをすすめればよかったのに。ただ、本人が「素面のときは普通」で、入院を拒否すればどうしようもないのも事実だ。
アルコール依存症は「否認」の病。
本人は「そんな病気だと認めたくない」し、周囲も「イメージが悪い病気」だと隠したがるから、結局、なかなか治療を受けなくて、状況が悪化していくことが多い。がんを告白する芸能人に対してみんなが応援するように、アルコール依存に対しても、病気であることを理解し、ちゃんと治療をしてから復帰するのをサポートしていくようにならないと、こういう事例は繰り返されるのではなかろうか。
ただ、アルコール依存症って、ちゃんと治療したら、ほとんどの人が克服できる、というほど簡単な病気ではなくて、また飲んでしまう、という人も多いのだよなあ。
正直、いま、TOKIOがんばれ、とは言いたくない。
だが、4人のメンバーには、がんばってほしいと思う。
ある意味、彼らも被害者なのだから。
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