憲法記念日。
安倍晋三首相が「美しい日本の憲法をつくる国民の会」と民間憲法臨調が共催した憲法フォーラムにビデオメッセージで、「いよいよ私たちが憲法改正に取り組むときが来た。改憲を成し遂げるためには国民の理解、幅広い合意形成が必要だ」と訴えたそうだ。
いま、憲法を改正したい、と思っている人って、どのくらいいるのだろうか?
自衛隊違憲論を公言しているのは、ごくごく一部の活動家くらいで、最近は共産党でさえ「自衛隊は違憲だ!」と声高に叫ぶことはなくなっているのに。
……と思ってネットで調べてみたら、共産党は「違憲なんだけど、すぐになくすのは無理だから、段階を踏んで解消していく」という方針らしい。
ここが知りたい特集/日本共産党綱領と天皇制、自衛隊/より明らかになった変革の道すじって
とはいえ、「共産党にあれこれ言われるのがめんどうだから」という理由で、わざわざ憲法を変える必要があるとも思えないのだ。
震災での救助活動やPKOを経て、日本国民の自衛隊への好感度や信頼度は大きく上昇しているし、憲法を変えなくても、「実態として、自衛隊はすでに認められている」ということで良いのではないだろうか。
PKO活動の際の武器の携行や友軍が攻撃された際の対応などの法的な問題があるのは確かだが、「まず憲法を変えたい」という意欲がこれだけ前面に出ていると、何か隠された意図があるのではないか、と勘繰りたくもなる。
変えるというのが、必ずしも良い結果を生むとは限らないし、本当に「改正」なのか、とりあえず北朝鮮も少し軟化しているようにみえるこのタイミングで、あえて声高に主張すべきなのか。
安倍首相は変える気満々みたいなんだけど、僕の周囲には、積極的に「いま、憲法を変えなくては!」と言っている人はいない。
というか、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」って、名前がすごく胡散臭い。「美しい」が、「日本の」にかかるのか「日本の憲法」までなのか、よくわからない。
たぶん後者なのだろうけれど、「美しい憲法」って、一体何なのだろうか、自衛隊が明記されていたら、法律が美しくなるのだろうか。ポエムか。
最近の安倍さんをみていると、「権力は腐敗する」という言葉について考えずにはいられない。安定した政権をつくったというだけでも良かったのではないかとは思うけれど、世の中には潮時というのもある。アーセナルのベンゲル監督も退任したし。そういえば、ベンゲル監督、今後はどうするんだろうなあ。ずっと、いつかは日本代表監督に、と言われながら、もうすぐ70歳になるのか。
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