じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

高畑勲監督の「遺作」としての『かぐや姫の物語』

 ずっと激しい雨が降り続く一日だった。
 藤井聡太さんが七段に昇段。すごい飛び級っぷりに、圧倒されるばかり。
 実はAIだった、とかいうオチでも驚かないというか、コンピュータが進化すると、それに伴って、ニュータイプみたいな人も出てくるのかな、とか考えてしまう。


 先日、お別れの会が行われた高畑勲監督の最後の作品、『かぐや姫の物語』が「金曜ロードSHOW!」で放送された。
 僕はこの作品、映画館での初見でその凄さに圧倒されたのだが、正直、重すぎてもう一度観る気分にはなれないでいたのだ。「男であること」を責められているような気がしてくるのだよなあ。
 高畑勲監督は、この映画をつくっていて、つらくなかったのだろうか。
 いや、つらかったから、こんなに長い時間がかかってしまったのか。
 高畑監督は、『かぐや姫の物語』がようやく完成、というときに、プロデューサーに「まだ終わりにしたくない」と、なかなか手を止めようとしなかった、という話を聞いたことがある。
 『かぐや姫の物語』は、申し分ない作品だと思うけれど、本人はまだまだ作りたかったのだろうな。
 いま観ると、この映画のラストの不思議な「月からの迎え」のシーンは、かぐや姫よりも、高畑勲を迎えに来た光景のような気がした。
 

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