じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

『SONGSスペシャル 宇多田ヒカル』を観た。

 午前中外来。今月はもう一杯一杯だったので、半日で仕事が終わって助かった。
 なんとか逃げ延びた、という感じ。

 夜、『SONGSスペシャ宇多田ヒカル』を観た。
 宇多田さんは、すごく不思議な人だ。
 とてつもないオーラが出ているようで、電車で隣の席に座っていても気付かなそうで。
 ただ、この人の姿と声と話には、あまりテレビを真面目に観ない僕も強烈に引きつけられる、というか、目が離せなくなってしまうのだ。
 宇多田さんは、誰が相手でも、同じように話を聞いて、同じように話をしてくれそうな感じがする。もちろん、実際はどうかわからないけれど。
 『あなた』を聞きながら、宇多田さんにとっての「あなた」は誰なのだろう?とずっと考えていた。
 若い頃から注目され続け、評価され続けてきた大スターで、その一方で、複雑な家庭環境と2度の結婚と離婚。この「あなた」は、具体的な「ひと」なのだろうか、それとも、抽象的な存在、これを聴いている「あなた」なのだろうか。
 10代後半から、大人びた(と言っていいのかわからないが)曲をつくってきた宇多田さんだけれど、この世界のことを素晴らしい曲にできても、この世界には、ままらないことがたくさんある。

「完全に母親と父親とが初恋の対象だと思っていて」
「常に転校生だったんですよ、どこへ行っても」

 もしかしたら、宇多田さんは、ものすごく自由で、ものすごく孤独な人なのではないか、と思う。
 遠くの人に希望を届けられるけれど、身近な人との距離感がうまくつかめない。
 いや、それはちょっと、僕自身を宇多田さんに投影しているというか、そういう人であってほしい、と望んでいるだけなのかな。


「常に正直であったか」
 正直に生きるのって、すごく覚悟がいることだ。
 でも、宇多田さんの歌を聴くと、もうちょっと正直に生きてもいいのかな、と思えてくる。
 『初恋』、買わなくては。


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初恋

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