午前中外来。今月はもう一杯一杯だったので、半日で仕事が終わって助かった。
なんとか逃げ延びた、という感じ。
夜、『SONGSスペシャル 宇多田ヒカル』を観た。
宇多田さんは、すごく不思議な人だ。
とてつもないオーラが出ているようで、電車で隣の席に座っていても気付かなそうで。
ただ、この人の姿と声と話には、あまりテレビを真面目に観ない僕も強烈に引きつけられる、というか、目が離せなくなってしまうのだ。
宇多田さんは、誰が相手でも、同じように話を聞いて、同じように話をしてくれそうな感じがする。もちろん、実際はどうかわからないけれど。
『あなた』を聞きながら、宇多田さんにとっての「あなた」は誰なのだろう?とずっと考えていた。
若い頃から注目され続け、評価され続けてきた大スターで、その一方で、複雑な家庭環境と2度の結婚と離婚。この「あなた」は、具体的な「ひと」なのだろうか、それとも、抽象的な存在、これを聴いている「あなた」なのだろうか。
10代後半から、大人びた(と言っていいのかわからないが)曲をつくってきた宇多田さんだけれど、この世界のことを素晴らしい曲にできても、この世界には、ままらないことがたくさんある。
「完全に母親と父親とが初恋の対象だと思っていて」
「常に転校生だったんですよ、どこへ行っても」
もしかしたら、宇多田さんは、ものすごく自由で、ものすごく孤独な人なのではないか、と思う。
遠くの人に希望を届けられるけれど、身近な人との距離感がうまくつかめない。
いや、それはちょっと、僕自身を宇多田さんに投影しているというか、そういう人であってほしい、と望んでいるだけなのかな。
「常に正直であったか」
正直に生きるのって、すごく覚悟がいることだ。
でも、宇多田さんの歌を聴くと、もうちょっと正直に生きてもいいのかな、と思えてくる。
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