じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

映画『パンク侍、斬られて候』と「自分にはわかっている」という態度について

 7月4日。日付的には、アメリカの独立記念日
 7月4日になるたびに、大学時代にビデオで観た『7月4日に生まれて』という映画のことを思い出す。
 トム・クルーズ主演のベトナム戦争の帰還兵の物語だ。
 部活の同級生たちと集まって観たのだが、劇中で、トム・クルーズが「ペニス!ペニス!」と叫ぶ場面がやたらと気まずかったのを憶えている(戦争で下半身不随となった帰還兵が、自らの境遇を嘆く場面なのだが)。さりげなく女子の顔色をうかがってみたが、みんな平然としていて、大人だなあ、とか思ったものだ。
 しかし、この話も毎年のようにWEB日記に書いていて、もう何度目になるのだろうか。

 仕事を終えて、映画館へ『パンク侍、斬られて候』を観に行った。『空飛ぶタイヤ』は遅い上映時間しかもうなくて、『ハン・ソロ』は、観る前からどんな映画かわかっているような気がしたので。
 『ハン・ソロ』を観たい日もあると思うけれど、今日は、もっとわけがわからないものを見たかった。

 というわけで、『パンク侍、斬られて候』を観たのだけれど、観終えての率直な感想は、こんなにお金と豪華キャストを使って、こんな映画を撮ってしまった勇気というか無謀さはすごいな、というものだった。
 パンクというか、支離滅裂、意味不明。
 カルトムービー的な魅力に溢れていて、町田康原作でもあり、「らしい」作品に仕上がっていると思うのだが、あの予告編や宮藤官九郎脚本、綾野剛北川景子主演というのをみて観にきた人たちにとっては「何これ?」だよなあ。
 ただ、こういう映画を「僕にはわかるんだけどなあ」みたいな態度で語ろうとしてしまうというのも、我ながらイヤな感じではある。言うほど「わかっている」わけでもないのに。
 ワールドカップの試合がない日の夜というのは、なんとなく手持無沙汰だ。いつのまにか、もう8試合しか残っていないのに。逆にいえば、ここまで当事者気分にさせてくれた日本代表には感謝したい。


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