じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

『未来のミライ』は、観るのがツライ

 毎日同じことの繰り返しなのだが、今日も暑い。
 埼玉県熊谷で41.1℃の日本国内最高気温を記録したそうだが、40℃オーバーはすごすぎる。日本という国全体がインフルエンザにでも感染しているようだ。
 まあしかし、これだけ暑くて、「熱中症に注意!」というアナウンスがされていると、かえってみんな用心しているのか、僕の守備範囲ではそんなに酷い熱中症の患者さんはみていない。
 僕の守備範囲そのものが、去年からものすごく狭くなった影響なのかもしれないけれど。

 仕事を終えて、細田守監督の新作『未来のミライ』を観に行った。
 あまり予備知識を入れたり、ネタバレを踏んだりしないように注意していたのだが、Yahoo!映画で、細田作品としては「あれ?」と思うような、5点満点中2.5点の平均点がついていて、「タイトル詐欺」なんていう言葉がネット上に飛び交っていた。
 逆に、「どんな酷いことになっているんだ?」と興味津々でもあったのだが。

 なんて観ているのがつらい映画なんだ、とずっと思っていた。
 自分が親として、人間として足りないところを指摘され続けているような気がした。
 もちろん、素直に「命のつながり」みたいなものを受け止められる観客のほうが多いのだろうと思うけれど、今の世の中で、「家族」というものを扱うのは難しい、と痛感した。
 自分の人生に100%満足している人がみれば、きっと、この上なく幸せな映画なんだろうな。
 観ていて楽しかったのは、細田監督が鉄道大好きなんだな、と微笑ましくなったところくらいだったかもしれない。

 ちなみに、『タイトル詐欺』かと言われると、「たしかにそうかもしれないが、それより、育児というミッションに立ち向かう夫婦のギスギスした感じの描写に『うへえ』って感じで、もうタイトルとかどうでもよかった」というのが実感だ。
 少なくとも、主人公たちがちょっと立ち寄るだけの場所がタイトルの『アマルフィ』よりは、はるかにマシ。
 
 映像のクオリティは高いと思う。
 ただ、観終えての僕の率直な感想は「もう、そんな説教は聞き飽きた」だった。


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fujipon.hatenadiary.com


未来のミライ (角川文庫)

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