じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

芥川賞の受賞作と選評が載っている『文藝春秋』を読んだ。

 家を出たとき、今日は陽射しの圧力がちょっと弱い、と思った。
 この猛暑も、ようやくピークを過ぎたのか、単に今日はいつもより出勤時間が早いからそう思っただけなのか。
 患者さんも何人か「今日はちょっと暑さがマシになった」と言っていたので、おそらく、これからだんだんと秋に向っていくのだろう。もちろん、そんなに簡単にはいかないだろうけど。
 今日は仕事の量の割にはそれぞれの業務の間隔が開いていて、もどかしい感じがする一日だった。
 遅番で、ちょっとしたトラブルもあったし。
 家に帰って、カープの試合の結果を確認したら、リードしていながら8回裏にDeNAの猛攻で一岡が打たれて逆転負け、という、リアルタイムで観ていなくてよかった、としか言いようもない悲惨な内容だった。
 首位を独走しているはずなのに、毎日ヒヤヒヤしっぱなしなんだよなあ。最近のリリーフ陣はフランスア以外は本当に見ているのがつらい。そのフランスアも昨日は打たれていて、今日はもう絶対に使わない、と緒方監督も決めていたのだろう。結果からすると、昨日同点のときは使わずに、今日、勝っているときに起用すればよかったとか思うのだが、翌日がどんな試合になるかなんて、わからない。
 これだけのリードがあるので、リーグ優勝はできるだろうと思うけれど、CSや日本シリーズとなると、どう転ぶかわからないというか、去年の二の舞になりそうで怖い。もうCSも日本シリーズも今年からやめにしてくれないか。

 芥川賞の受賞作と選評が載っている『文藝春秋』を読んだ。『美しい顔』の盗用騒動について選考委員たちがどう語っているのか興味津々だったのだけれど、全員一致で、『美しい顔』は「盗用」とはいえない、という結論だったらしい。現地に取材に行かなければ小説は書けないというわけではない、というのは、たしかにその通りだろうし、小説家としては、「取材至上主義」とは一線を画したい、ということか。「資料を参考にするにしても、自分なりに消化して、もっとうまくやらなければダメだ」みたいなことも書かれていて、多かれ少なかれ、小説家も資料を「参考に」しているのだよね。フィクションでもけっこう詳しく取材をしている人もいるし。先輩作家としては、「余計な問題を起こしやがって」という感じではなかろうか。ちなみに、受賞作の高橋弘希さんの『送り火』は、とても不穏な小説で、「うへえ」と思いながら読んだ。芥川賞は、何年かに一度、「人間の暗黒面を描いた私小説的な作品」が受賞する。


送り火 (文春e-book)

送り火 (文春e-book)