朝、ラジオを聴いていたら、大坂なおみ選手の偉業とコーチという仕事の話になっていた。
その番組のコメンテーターが、以前、長嶋茂雄さんに「千本ノックって、意味があるんですか?」と質問したことがあるそうだ。
長嶋さんは「あれは、足腰を鍛えるための練習なんだよ。野球選手だから、ただ走るだけより、ボールを使ったほうがやりやすいだろうし。あれで守備が上手くなるわけじゃないよ」と答えてくれたのだとか。
長嶋さんといえば「感性と気合いの人」のようなイメージを僕は持っていたのだが、案外、合理主義者というか、物事を客観的にみていたのだな。
それにしても、あの長嶋さんに、よくそんな質問をしたなあ、とは思う。
野村克也監督の本によると、あるヤクルトの外野手は、最初は下手だったのに、自分の守備練習ではないときでも、他の選手のフリーバッティングをずっと外野でみていて、打者のスイングと打球の飛び方のパターンを頭に入れ続けることによって、名手と呼ばれるようになったそうだ。
基本的なことを身に着けるには、「身体に覚えさせる」ことが必要な段階もあるのだが、それには限界があって、「頭を使えるかどうか」が、スポーツの世界で他者と差別化するための大きなポイントなのだろう。
逆に、学問の世界でも、実験でもうひとがんばりできる体力とか、うまくいかなくても諦めない精神力とかがないと、どんなに頭が良くても壁を超えられないのだよなあ。
たぶん、そういうことに早く気づけるかどうかで、人生というのは大きく変わってくるのではないか。
まあ、気づいたところで、僕がスポーツマンになっていたとは思えないけれど。
カープはついに連敗脱出。
今日も中盤まで0−1と負けていて、厳しい展開だったのだけれど、菊池のホームランで追いついたあと、チャンスで代打・新井。結果は三振だったものの、画面越しにも気魄が伝わってきた。
新井さんが、カープの選手たちに、火をつけたのだと思う。
7回の裏、野間が出て菊池が送り、丸のタイムリーで逆転、鈴木誠也、松山のタイムリーで追加点。
8回の裏には、菊池の満塁での走者一掃のツーベースでさらに3点を加えた。
最終回、中崎がソロホームランを浴びて1点取られたものの、7−2で、ついに連敗脱出。
菊池、丸、鈴木誠也、松山と、カープの主軸選手たちが、新井さんの気魄に応えてくれた。
本当に、憑き物が落ちたような後半の猛攻だった。
ああ、でもやっぱり、新井さんの存在は大きいよな。三振しただけなのに、新井さんのおかげで勝てたような気分になっている。
「ウソ800」を飲んで「新井さんはもう帰ってこない」と言ったら、「なぜか引退しないことになったんだ」と、机の引き出しから出てきてくれないものだろうか。
いや、まだ新井さんは引退していないのだから、今、を大事にしなくては。
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