じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

もう、「ルメールさんが乗っている馬は、何でも買っておけ」としか言えない。

 今日は菊花賞。僕にとっては1年で最も好きなレースだ。馬券的にも、オウケンムーンとフローテーション馬連万馬券を当てたのを思い出す。あのときは、フローテーションリアルシャダイの血が入っているから、という理由だけで買ったようなものだった。ダービースタリオンから競馬好きになり、血統の本とかを読み漁った頃のことを思い出すなあ。
 最近の日本競馬では、菊花賞春の天皇賞でも、いかにもステイヤー、なんて血統の馬はめったに出走してこないし、そういう馬が出てきても基本的に足が遅い、という致命的な欠陥を抱えている。
 よっぽど気性に問題がある馬でないかぎり、中距離馬どうしで長距離を走れば、中距離で強いほうが長距離でも勝つ。

 さて、今年の菊花賞。僕はダービーで本命にしていたブラストワンピースが直線でスムースさを欠いて、脚を余して5着に敗れて以来、菊花賞こそはこの馬だ、海賊王に、君はなるっ!と思い続けてきたのだ。
 正直、新潟記念に出てきて、しかも後方待機から大外一気という、菊花賞を意識しているとは全く思えないレースで快勝したのをみて、「なんだかなあ……」と不安ではあった。意外なレースをステップにして快勝し、G1で人気を集めて負けるというのが得意技の大竹厩舎だし。それでも、自分が強いと思っている馬を買うべきだ、と例のごとく2枠からの枠連総流し。レースが迫ってくるにつれて自信がなくなってきて、ジェネラーレウーノとどっちか1頭は連に絡むよね、という弱気な馬券だ。そして最後に、デムーロルメール、モレイラの外国人騎手ボックスを買いかけて、さすがにフィエールマンはないよなあ、と、ルメールとモレイラの馬券はやめた。
 
 アイトーンの逃げと予想していたものの、先手を取ったのはジェネラーレウーノ。まあ、これもありだよな。ペースはかなりのスローになった。ブラストワンピースは真ん中くらいで、エタリオウは後方から。ほら、こんな後ろからじゃ、届くわけないじゃん、と思ったのだ、そのときは。

 ジェネラーレウーノが逃げ切ってくれても馬券的にはありがたいのだが、こんなにスローの団子状態が続いて、終いのキレ勝負になるとジェネラーレウーノは厳しいはず。どこからペースアップしてくるだろう……あれ?あんまり速くならないな……
 1週目のスタンド前では、エタリオウがいつのまにか、中団まで位置を押し上げてきて、ブラストワンピースの前にいる。これがデムーロなんだよなあ。

 坂を下って、最後の直線、ジェネラーレウーノは後続に差されて、もう圏外へ。
 外を回って前の馬たちを射程圏内に入れたかのようにみえたブラストワンピースも、ジリジリと伸びてはいるのだが、そのずっと前で、一気に内と外から抜け出したフィエールマンとエタリオウが壮絶な叩き合い。結局、大接戦を制したのは、内のフィエールマンだった。3着に武豊のユーキャンスマイル、4着にブラストワンピース。うーん、ブラストワンピースにとっては、スローペースで終いのキレ勝負になってしまったことと、大事に乗り過ぎたのか、道中の位置どりが後ろすぎたことがアダとなったか。まあでも、スムースな競馬はできていたし、脚があれば馬券圏内に来たはずではあった。結果的に、3000mは少し長かった、ということか。
 ああ、また縦目というか、本命馬はダメだったのに、保険で買った馬券が当たった。
 もちろん、当たれば嬉しいけど。
 最後、フィエールマンの緑と白の染め分け帽の白いほうをみて、「うわっ、グレイルにやられたか……」と思っただけに、エタリオウと叩き合っていたのがフィエールマンだったと知ったときは小躍りしたくなったくらいだ。
 フィエールマンが来たのには正直驚いた。ラジオNIKKEI賞2着は、最後すごい脚だったけれど、道中は後ろからの競馬だった。休み明け、これまでのキャリア3戦で1800mまでしか経験のない馬に菊花賞は無謀だよねえ、と思っていた。なんなんだよこのローテーション、さすがいこれは無理だろ、いくらルメールでも……というか、ルメール他に乗る馬いなかったのか。レイエンダもここを回避しちゃったからねえ。
 ……すみませんでした、ルメールさん。まさかルメール人気込みで7番人気のフィエールマンまで持ってくるとは。
 春のモズアスコットにワーザー、秋華賞の休み明けで三冠制覇のアーモンドアイと、今年は長年競馬をみてきた僕にとって、信じられない結果をいくつも見てきている。競馬の常識っていうのも、変わってきているのだよね。20年とかみていると、結局、「なんでもあり」なんだな、という心境になる。
 いやほんと、何も考えずに外国人騎手ボックス、のほうが当たるような気がするのも競馬というものだ。


 パリーグのCSファイナル、今日は熱戦になったのだが、ソフトバンクが初回に3点先制し、西武に追いすがられながらも逃げ切って、6対5で勝利。アドバンテージも含めて4勝2敗で、日本シリーズ進出を決めた。カープの相手は、ホークス。
 この西武の負け方をみていて、去年のCSファイナルで気ばかり焦って空回りし、DeNAに敗れたカープを思い出さずにはいられなかった。ペナントレースを圧倒的な差で制したのに、こんな数試合の結果だけで日本シリーズに出られなくなるのは、選手もファンも本当につらいよね。まあでも、自分が応援しているチーム以外のこういう悔しさは、やはり、贔屓球団のときほど実感がわかないのも事実だ。僕は共感力が低い。
 

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デムーロ&ルメールで毎週焼肉を食べる法

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