じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

映画『天気の子』に八つ当たりしたくなるほど、雨。

 昨夜からの豪雨で、長男の学校は休校になった。
 避難勧告が出ているくらいなので当然の措置ではあるのだが、僕の仕事のほうは通常営業。
 災害時には、インフラ関係の人などは、かえってやらなければならない仕事が増えることもあるわけで、もし事故が起こったりした場合には「病院も大雨で休みです」というわけにはいかないし、急病の人だっている。
 みんなが「不要不急の外出を控える」ためには、電気や水道が安定して供給されていることが不可欠だ。

 とはいえ、こんな日には、あんまり患者さんは来ないのではないかなあ、と思っていると、案外、「雨で仕事が休みだから」と来る人もいるのだ。
 実際のところ、それなりの雨量ではあったけれど、僕が生活している地域では、支障が出るレベルではなかった。

 仕事場の窓から、降り続く雨をみていると、映画『天気の子』を思い出す。ここ数年、九州北部は豪雨災害が頻発している。こんなの10年に一度くらいのものだろう、というような大雨が、1年に1回、今年は2回も振っている。映画では、主人公の選択にけっこう共感してしまったけれど、自分の身のまわりのこととなると、もしこんな雨がずっと続けば、知らない人なら、誰か犠牲になってでも晴れてほしい、と思うのではなかろうか。
 あんな映画をつくるから、こんなに雨が降るんじゃないか?と、ふと思い、ひどいやつあたりだと苦笑する。人ひとりの感覚としては「異常気象」なのだけれど、長い地球の気象の歴史からすれば、こんなに雨が降るのも、「ありがちな揺らぎの範囲」なのだろうし。

 こんな日に働きたくないなあ、とは思うけれど、基本的に、どんな日でも働きたくはないのだよなあ。

 足りないのは、余裕なのか、勤労意欲なのか、それとも、愛なのか。


小説 天気の子 (角川文庫)

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