じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

告白と自粛と沈黙と

 もう4月も下旬、もうすぐゴールデンウィークだというのに、風が冷たい。
 この時期は毎年こんなもので、こちらの気分が沈んでいるから春が遠く感じるのか、天候にまで見放されているのか。

 とりあえずなんとか一日仕事をして帰宅。
 誰かひとりこの病院で新型コロナウイルスに感染したら、病院が機能停止してしまうという綱渡り状態。
 コロナに感染したことを告白したら行動をチェックされ、批判されるという風潮は「自粛」という名の同調圧力の効果を高めていることは事実だが、「症状があっても、隠してしまう人」を増やしてもいる。罹患していないのにコロナへの不安に押しつぶされて抑うつ状態になっている人もいるし。
 最近、家用のマスクを探しに、ドラッグストアを定期的に覗いているのだが、この1か月くらい、ドラッグストアでマスクを見ていない。
 朝、家を出る時間には、近所のドラッグストアに何人か並んでいる。
 空になった売り場をみながら、「なんで、マスクなんて『あって当たり前のはずのもの』が、こんなに手に入らなくなってしまったのだろう?」と不思議な気分になる。不思議なんだけど、やっぱり手には入らないのだ。それが1か月続いている。戦時中の日本も、こうやって「昨日は当たり前に買えたはずのもの」が、少しずつ買えなくなっていたのかな、なんて考えてしまう。もしかしたら、増産体制が整ったときには、コロナ禍は去っていて、余ったマスク大安売り、みたいなことになるかもしれない。ただ、どう考えても、ゴールデンウィーク終わりの時期にコロナウイルスが完全に終息するはずはなく、ある程度落ち着いてきたところで、日常生活を回復しながらコロナの衰退を待つ、ということになるのだろう。でもなあ、一度こうなってしまったら、そう簡単には、マスクなしで外出できないよなあ。

 夜は、長男のデスクトップパソコンを借りて、文章を書く仕事をした。最近は寝転がってノートパソコンのキーボードを打っていることが多かったのだが、ちゃんと椅子に座って作業をすると、ものすごく集中できるし、同じ分量でも短時間で済ますことができて驚いた。あらためて、仕事の環境というのは大事なのだということを痛感した。リモートワークで可能な仕事でも、家では思うほどはかどらないとか、仕事の質が落ちる、とかいうことは、ありがちではなかろうか。まあでも、真面目にデスクトップに向かうと、やっぱり疲れるな。


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