じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

デアリングタクトの衝撃と『紳士と淑女のコロシアム 「競技ダンス」へようこそ』

 朝から部屋の片付けをしたり、だらだらとネットをしたりして過ごした。
 オークスの発走時間が近づいてきたのだが、最近は直前になってオッズが大きく変わることが多いので、ギリギリのタイミングで買おう、と思っていたのだが、なんと痛恨の発売締切。
 ほぼ半日、オークスの予想に費やしてきたのに……
 
 とはいえ、本命のデアリングタクトは発汗が目立ち、本馬場入場もゆっくり引かれながらだったので、いまひとつ自信がなかったのも事実。いやむしろ、このオッズなら買わなくて正解だったのではないか、という気がしてきた。

 レースでは、後方につけたデアリングタクト。いまの府中で、この位置取り、しかもペースは逃げ馬以外はそんなに速くはなさそうで、やっぱりこのレース、買えなかったのは天啓かもしれん、と思う。
 最後の直線に入っても、周りを囲まれ、後ろのほうでもがいているデアリングタクト。
 内から伸びたウインマリリンが先頭で、2着に忘れな草賞の勝ち馬、ウインマイティ。フローラSはあの強風での前残り、忘れな草賞はあの道悪+ゴールドシップ産駒ということで、今の府中でスピード競馬になったらつらそうだな、と思った馬たちのワンツーか……買えなくて本当によかった……と胸をなでおろそうとした僕の目の前を、デアリングタクトがウインマリリンを交わして颯爽と駆け抜けていった。
 あれで勝つのか、デアリングタクト!すごい!

 ああ、買えていたら当たっていたのに……
 正直、たいしたプラスではないし、人生トータルでいえば、買い損ねた馬券は結果的にプラスになってはいるのだが、ちょっと心残りな結果になってしまった。
 このレース、もし勝っていたら、最後のデアリングタクトの差し脚には大興奮していただろうなあ……実況アナウンサーですら、「えっ?」って感じだったから。
 レース映像を見直してみても、結果がわかっているにもかかわらず、直線入口の状況では、「デアリングタクト終わったな……」と思うもの。
 もうダメだ……からの奇跡の的中は、気持ちよかっただろうなあ……まあ、賭けられなかったので、プラマイゼロであり、出走前のデアリングタクトの様子をみると、あのオッズでは賭けないほうが正解だったよ、と自分に言い聞かせる。
 入れ込んでいるように見えても、ものすごく強い馬はオークスで2400mをこなしてしまう、というのは、ジェンティルドンナで学んではいたのだが。

 そのあと、二宮敬人さんの『紳士と淑女のコロシアム 「競技ダンス」へようこそ』という本を読み始めた。大学の競技ダンス部での出来事を、当時の部活での仲間たちのインタビューを交えて振り返っていくのだが、大学時代に、競技ダンスではないが「自分なりに一生懸命やったつもりだけれど、競技者としては全く結果を出せず、人間関係にも悩んだ」僕にとっては、「これは僕のために書かれた本ではないのか」と思わずにはいられなかった。特定の男女が固定パートナーとなって踊らなければならない、というシステムが生む、さまざまな葛藤は、読んでいて、とてもヒリヒリする。

 読み終えると、なんだか4年間部活をやったあとのような気分になって、飲まずにはやっていられない。「ほろ酔い桃」を飲んだら、かえって中途半端に酔ってしまって、眠いはずなのに眠れなくなり困った。