5月最後の日。今年はゴールデンウィークも5月病も、緊急事態宣言と自粛に塗りつぶされたような月だった。
東京優駿(日本ダービー)ということで、朝からずっとソワソワしていたのだが、今年は皐月賞の1、2着馬、コントレイルとサリオスで勝負することに決めていた。皐月賞で3着以下につけた着差は決定的なものに思えたし、別路線組も皐月賞で敗れた馬がトライアルを制していて、さほど魅力的な馬もいないので。
でも、ダービーはどうしても当てたいし、去年、3強で決まりだと思い込んでいて、苦い思いをした記憶もあるので(いちおう、サートゥルナーリアとロジャーバローズの馬連は買っていたのだが)、2頭で決まる自信があるからこそ、この2頭のワイドにぶち込むことにした。だいたいいつも、単勝を買えば2着になり、複勝を買えば4着になり、枠連・馬連を買えば1着3着になるので。
パドックでは、コントレイルもサリオスも素晴らしいデキに見えたし、本馬場入場でも両馬とも落ち着いていた。無観客というのは、馬にとっては実力を発揮しやすい環境なのかもしれない。去年のサートゥルナーリアも、無観客だったら違う結果になっていただろうか。それとも、東京競馬場に何かトラウマでもあるのか。
レースは、スローペースでコントレイルが前々で折り合い、サリオスは中団のやや後ろ。
直線では、サリオスが後方+かなり外を回っていて、これは厳しいか?と思ったのだが、そこから豪脚を繰り出し、残り200mくらいのところでは、コントレイルに並びかけようとしていた。おお、これはまた一騎打ちか!と期待したのだが、コントレイルはサリオスが来るのを待っていたかのようにそこから突き放し、独走でゴールを駆け抜けていった。
サリオスは2着を確保し、3着はヴェルトライゼンテ。
僕はどちらかというと、サリオス推しだったのだれど、枠順の差もあったとはいえ、コントレイルの強さには脱帽だ。コントレイルがいなければ、サリオスが無敗の2冠馬だったわけで、生まれた世代が不運だった、としか言いようがない。
福永祐一騎手が、満面の笑顔でインタビューに答えていて、キングヘイローで逃げて惨敗した初騎乗や、ワグネリアンで勝って涙を流していた一昨年のダービーを観てきた僕としては、ひとりの人間の成長と成熟を見届けたような気分になった。
渾身のワイドも見事に的中し(ワイドが当たるときは、だいたい1着2着で、馬連にしておけば……ということになる)、ちょっとした小遣いもできたので、言うことなし。配当160円を覚悟していたが、3着がやや人気薄だったので、170円になったのがありがたい。競馬者としては、せめて、ダービーと有馬記念だけは当てたいところなので、これでしばらく機嫌よく過ごせそうだ。
『競馬BEAT』で麒麟の川島さんが、5万円勝負で、この馬連を2万円(払い戻し5万4000円)当てて、「(少しだけのプラスだけど)これでいいんです。こんな素晴らしいレースが観られて、少しお小遣いも貰えるなんて、言うことないですよ」とニコニコしていて、僕も「うんうん」と頷いていた。
配当が安いというのは、当たった人も多かったということでもある(トリガミの人もけっこういたと思うけど)。
『ゲームセンターCX』の『ジョイメカファイト』の回を観て、缶ビールを飲んで寝た。
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