じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

映画『鬼滅の刃 無限列車編』が開く道


 久しぶりに用事のない平日休みだったので、映画館へ。
 明日から上映される『鬼滅の刃 無限列車編』の上映予定回数がすごいことになっている。ひとつの作品がこんなにシネコンのスクリーンを占拠するのは初めてではなかろうか。ネットでもチケットが取れないことが話題になっていたけれど、新型コロナの流行以降、観客がなかなか戻ってこない映画館にとっては、『鬼滅』さまさま、ではなかろうか。しかし、「映画館も感染のリスクが……」ということで観客が戻ってこず、『007』の新作も再度延期されて「2021年」になってしまったけれど、本当にみんなが観たい映画であれば、どんなに混雑しそうでもみんな観に来るのだなあ。
 これまで「観客が戻ってこないから大作はこのタイミングでは上映できない」「映画館で観たい作品がない」とお互いに膠着状態だったのが、『鬼滅』で一気に動き出すかもしれない。
 なんのかんの言っても、「観たいものは観たい」のだ。逆に言えば、映画館に来るきっかけがなかっただけで、もうみんな、新型コロナに対する恐怖感はだいぶ薄れているのではないか。

 今日は、芦田愛菜さんが久しぶりに主演した『星の子』を観た。館内には僕ひとり。まあ、観ても楽しい気分になるわけでも、役に立つわけでもない、新興宗教を信じる家庭の中学生の子どもの話だものなあ。
 この映画「えっ、これで終わり?」みたいな、スッキリしない感じではあるし。
 ただ、僕にとっては、その「スッキリしない現実の一部を、スッキリしないまま描いて見せてくれる」ところがとても心地よかった。世の中には、割り切れない、こちらの正しさと相手の正しさが噛み合わないまま、お互いに生きていかねばならないことがたくさんある。芦田愛菜さんの佇まいもとてもよかった。
 
 なんとなく寝つけず、薬を飲んで、25時半くらいに就寝。


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星の子 (朝日文庫)

星の子 (朝日文庫)