じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

ソフトバンクホークスの「新型コロナ禍での優勝」

 遅番で病院に残っていたので、家にたどり着いたときには何かをする気力もなく、ソフトバンクホークスの優勝がかかった試合を眺めていた。カープファンの僕にとっては、2年前に何をどうやっても勝てないと思った相手であり、正直嫌いなのだが、九州人としてはアンチを公言しづらいチームではあるし、僕もあえてそれを口にするほど若くもない。あれだけお金と手間と知恵を使えば、そりゃ強くなるよな、としか言いようがない。主力が怪我をしたり外国人選手が新型コロナで来日できなかったりしても強い。
 まあでも、優勝が決まる試合というのは、独特の緊張感と盛り上がりがあって、優勝するのが巨人、あるいは、カープの目の前で胴上げされるのでなければ、なかなか良いものではある。カープが絡んでいないと、気楽に観られるし。馬券を買っていないレースみたいなものだ。
 結局、ホークスが5対1で勝ち、3年ぶりのリーグ優勝。2シーズンもホークスの優勝を阻止してきた西武ライオンズはけっこうすごい。
 今年は新型コロナ禍のなかで、胴上げはどうするのだろう、と思っていたのだが、胴上げは行われず、選手たちが輪をつくって短い時間のセレモニーが行われただけだった。あの優勝の瞬間にみんながグラウンドに飛び出してから胴上げまでの流れを観られないのは寂しくはあるけれど、チームのスタッフや王さんや孫さんも「優勝の輪」に一緒に入れて良かったのではないか。ソフトバンクホークスは、王さんと孫さんのチーム、でもあるのだし。孫さんにとっては「リアル『やきゅつく』」だよなあ。サッカー界には、「リアル『サカつく』」をやっている三木谷さんもいるけれど。そういえば、三木谷さんは『やきゅつく』もやっているのか。男子の夢はプロ野球の監督かオーケストラの指揮者、というのを昔聞いたことがあるのだが、残念ながら、僕には縁がなさそうだ。
 工藤監督が優勝インタビューで、最初に「医療従事者への感謝」を口にしてくれて、その端くれである僕も、けっこう感慨深いものがあった。ソフトバンクは、近隣の医療従事者に感謝のメッセージとユニフォームを贈ってくれてもいて、強いだけではなくて、ファンや地域へのサービスが行き届いたチームでもある。僕自身は、だからといっていまさら仰ぐ旗を変えることはできないし、しっかりしすぎているから苦手、みたいな気持ちもあるのだけれど、かなわないな、とは思う。
 来年は、また胴上げやビールかけができるようになるのだろうか。それとも、これを機に「過去の慣習」になってしまうのだろうか。
 

fujipon.hatenablog.com
fujipon.hatenadiary.com