じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

2020年11月7日、石原慶幸選手の引退試合。

 カープ石原慶幸選手の引退試合
 今年の開幕からの起用法をみていると、たぶん今年で引退なんだろうな、と覚悟はしていたのだが、あの安心感あふれるキャッチングと「インチキ!」とカープファンがニヤニヤしてしまう数々の意外性あふれるプレーがみられなくなるのは寂しい。でも、会澤でさえ、死球の影響があったとはいえ、経験を積ませる目的もあってか、坂倉にけっこうスタメンを譲っている状況では、チームの世代交代的のためにも致し方ないのだろうな。僕にとっては、延々とBクラスだった時代から、ずっとカープに残っていてくれた、「困難をともにした人」という思いがすごくあるプレイヤーなのだ。石原さんが、低迷期もカープという畑を耕し続けてきてきれたから、あの2015年の劇的な優勝があった。
 雨の中、石原さんはバッターボックスで同級生の阪神・能見投手と対戦した。最後の打席は、すべてストレート勝負で、結果はライトフライ。石原さんは、なんとなく、とりあえずバットに当たってよかったなあ、なんて顔をしているようにもみえた。それにしても、引退試合カープは、なぜ毎回こんなにふがいない試合ばかりなのか。勝って石原さんを送り出そうよ、とイライラしていたのだが、赤い手袋をした選手たちに、石原さんが8回胴上げされているのとみて、まあ、この試合の勝ち負けは、どうでもいいか、という気分になった。クリス・ジョンソンとのハグをみてもらい泣き。いや、それ、密だよ!でも、この密は仕方がない。というか、エアーハイタッチじゃ伝わらない感情みたいなものは、やっぱりあるのだよなあ。ジョンソンのおかげで、石原さんも2年くらい長く現役を続けられたと思うのだが、この名バッテリーを見ることができないのは寂しい。今日ジョンソンが登録されなかったので、石原の引退試合に来ないとなると、もうジョンソンはいなくなるのか……?と心配していたのだが、とりあえず残留か退団かは現時点では保留というところか。個人的には、少し軌道修正できれば、まだやれると思うのだけれど。
 そして、サプライズゲストとして、黒田博樹さんと新井貴浩さんが花束を持って登場。でも、カープファンはみんな、「この2人は来るはず!」と思っていたのではなかろうか。2015年の奇跡を起こしたのは、この3人の力が大きかったのだから。そして、黒田さんも新井さんも石原さんも、「仲間」を大事にする人だから。むしろ、サプライズじゃなくて、「来てくれてホッとした」という気持ちだ。
 新型コロナがなければ、もっと、超満員のマツダスタジアムで見送れたのに、という気持ちと、それでも、無観客の引退試合よりはずっと良かった、というのと。あと、カープのリーグ優勝にキャプテンとして貢献した小窪選手が、現役続行を希望して退団を選び、カープでのセレモニーができなかったことと。
 またひとり、僕が大好きだったカープの選手が現役を退いていった。
 ただ、石原さんは、いずれカープの指導者として、また戻ってきてくれるはずだ。黒田さんや新井さん、とくに黒田さんはあまりにも「伝説化」されすぎてしまって、監督とかコーチとしてファンに叩かれる姿を見たくない、とも思う。
 石原さんは、飄々と、選手たちをうまくまとめて、良いチームをつくってくれるのではなかろうか。
 
 アメリカ大統領選挙は、趨勢としてはバイデン候補でほぼ決定のようだが、まだ投票を集計中らしい。ちゃんと集計しているからこうなっているのだが、なんとなく「もう飽きてきた」から自分にも困ったものだ。


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