じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

「歯医者の診察台の上に英雄はいない」

 日曜日は、阪神JFの馬券がサトノレイナス本命で的中し、時間に比較的余裕もあってのんびりできたので、ああ、良い日だったな、と思っていたら、夕食中に差し歯が外れた。人生なかなかうまくいかないものだ、というか、こういう「マイナスをゼロに戻すためにやらなければならないこと」には、気乗りしないんだよなあ。とはいえ、外れたままで過ごすのは違和感がすごい(しかも前歯)なので、放ってもおけない。歯が一本ないと、ずっとマスクをしているのが当たり前の時勢でよかったなあ、という顔になってしまっているし。前に歯医者に行ってからだいぶ時間が経っていて、そろそろかなあ、とは思っていたのだが。こういう悪い予感みたいなものは、本当によく当たる。

 予約をして、仕事を終えてから歯医者へ。
 歯医者に行くたびに、『銀河英雄伝説』で読んだ(と思う)、「歯医者の診察台の上に英雄はいない」という言葉を思い出す。僕の場合は、どこであろうが、英雄にはなれないのだけれど。
 まあでも、けっこうダイエットしたおかげで、前より治療中の息苦しさはマシになったような気がする。せめてそのくらいのメリットはある、と思いたいだけかな。
 けっこう時間がかかるのではないかと心配だったのだが、とりあえず応急処置をしてくれて、差し歯は元鞘におさまった。ただ、土台がかなり弱ってきているので、またすぐ外れるかもしれない、とのこと。まあ、そうだよね。
 しばらく通院して経過観察と歯石取りなどをしてもらうことになった。歯医者は、治療よりも歯石取りのほうがつらい。というか、虫歯の治療は「これで痛みがとれる」という動機があるけれど、歯石取りは骨を揺らされるような不快感があるけれど、予防目的だ。歯医者に限らず、人は予防医学の重要性を頭では理解できるが、どうしても、いま辛いのでなければ、先送りしたくなる生き物なのだ。単に、僕がそういう人間なだけか。
 とりあえず、年末の慌ただしい時期に歯医者への通院、という用事が加わり、やや憂鬱になった。とはいえ、これを機に、またちゃんと通院してチェックしていこう、とも思う。この歯医者の近くには書店もあるし。あと何年、自分で噛めるのだろう、と不安になってきてもいるので。

 帰宅し、寝る前に12月のIPO抽選の結果を確認したのだが、落選、選外ばかりでがっかり、ウェルスナビは全員プレゼント、とか言ったのは誰なんだ。頼まれてもいないのに応募して、そう簡単には当たらないのは承知しているはずなのに落ち込んでいる自分の激烈バカっぷりが、本当にイヤになる。どんなに外れ続きでも、淡々と応募しつづけられる人が、最後に笑うのだろうけどさ。